固定資産税・維持費・キャッシュ流出…売らない理由が損失に!経営判断の分かれ道となる資産売却の実践知識。
使っていない土地・建物、持ちっぱなしにしていませんか?不稼働の固定資産は“キャッシュ喪失装置”——今こそ売却してキャッシュフローを改善せよ!
はじめに|「とりあえず持ってる」は経営の足かせになる
- 使っていない倉庫
- 空室だらけのテナントビル
- 将来使うかもしれない…と手放せずにいる土地
このような“眠ったままの資産”、あなたの会社にもありませんか?
経営者の多くは「資産=財産」と考えがちですが、稼働していない固定資産は、実は“お金を吸い取る存在”でもあります。
この記事では、
- なぜ不稼働資産がキャッシュフローを悪化させるのか?
- 売却するとどんなメリットがあるのか?
- 税務・財務面の影響は?
を、わかりやすく解説していきます。
不稼働資産は「持っているだけ」でお金が出ていく
1. 固定資産税・都市計画税がかかり続ける
使っていようが使っていまいが、毎年課税される固定資産税。
地方によっては数十万円〜数百万円の出費になることも。
→ 「稼いでいないのに支出だけある」典型例です。
2. 維持管理費・修繕費がかかる
- 雨漏り対応
- 雑草の除去
- 警備や電気の基本料金
→ 小さな積み重ねが、年間数十万円単位でキャッシュを奪っていきます。
3. 減価償却で帳簿は減るが、現金は増えない
帳簿上では毎年「減価償却費」が計上されますが、
これは“費用”であって、実際のお金は動いていません。
→ 税引後利益は減るのに、キャッシュは残らないという歪んだ構造に。
では、売却すると何が良くなるのか?
メリット①:キャッシュが一気に増える!
不動産はそのまま売れば、即・現金化できます。
例:未稼働の倉庫(帳簿価格500万円)を1,500万円で売却
→ 差額の1,000万円が譲渡益(課税対象)になりますが、
→ 現金としては1,500万円入ってくる!
→ このキャッシュがあれば…
- 借入の返済ができる
- 資金繰りに余裕ができる
- 設備投資や採用に再投資できる
メリット②:固定費が削減される
- 固定資産税
- 修繕費
- 保険料
- 空き家対策費用
→ 売却すればこれらがすべてゼロになります。
=「毎年確実に出ていくお金」が止まる!
メリット③:決算書の“見た目”がよくなる
不稼働資産は“見た目上の資産”にはなりますが、実質的には負債的な存在。
売却することで、
- 総資産がスリム化
- 流動比率や自己資本比率が改善
- 銀行評価もアップ
→ 銀行との融資交渉もスムーズに進みやすくなります。
【比較表】持ち続けた場合と売却した場合のキャッシュフロー
項目 | 保有 | 売却後 |
---|---|---|
固定資産税 | 年20万円支出 | 0円 |
修繕・管理費 | 年10万円支出 | 0円 |
減価償却 | あるがキャッシュなし | なし(資産除外) |
売却益 | 0円 | 現金1,500万円入金(税引後1,100万円) |
キャッシュ残高 | 年間マイナス | 一気にプラス転換 |
売却=課税リスク?→戦略的に売れば安心!
「売ると税金がかかるから損では?」とよく聞かれますが、実際には:
- たとえば譲渡益1,000万円に法人税30%でも課税額は約300万円
- それでも700万円以上の現金が手元に残る!
→ 税金は出ても、キャッシュが増えるなら“使えるお金”は確保できるのです。
税負担を抑える方法もある!
- 他の赤字事業と損益通算する
- 繰越欠損金とぶつける
- 売却時期を事業年度の利益状況に合わせて調整する
- 退職金や特別償却とセットで利益調整する
→ ChatGPTなどの生成AIでシミュレーションすることも可能です。
不稼働資産がある企業にありがちな“心理的ブレーキ”
「将来使うかもしれない」
→ 5年後、10年後に使う予定が本当にありますか?
→ その時には売却資金で“よりよい投資”が可能かもしれません。
「思い入れがある物件だから…」
→ 気持ちは大切ですが、それで資金繰りが圧迫されていませんか?
→ 「会社を守る」ために、感情と数字を切り分けることも経営者の決断です。
売却を検討すべき資産の見極めポイント
- 2年以上使われていない
- 保守費・税金だけかかっている
- 売却すれば借入金完済に近づく
- 地域的に資産価値が下がりつつある
→ これらに当てはまるなら、一度「売る選択肢」を真剣に検討すべきです。
おわりに|使わない資産を“抱え続ける”のは、リスクでしかない
不稼働の固定資産は、ただの“使わないモノ”ではありません。
それは毎年キャッシュを吸い取る「見えないコスト」であり、
資金繰りを悪化させる「経営リスク」です。
そして今、資産を売却して現金を得ることは、借入よりも安全で即効性のあるキャッシュフロー改善策なのです。
ご相談ください|資産売却シミュレーション・税務戦略も対応可能
- 売却時の税金試算
- キャッシュフロー比較表の作成
- 銀行交渉や決算評価対策のアドバイス
- AIによる売却タイミング判断
「これ、売った方が得なのか?」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。
ホームに戻る芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。