財務
「IT化で需要増でも儲からない」——電気通信工事業が“数字で勝つ会社”に変わるための財務分析とは?
「仕事はある。でもお金が残らない」——電気通信工事業のリアルな課題
- 光回線やWi-Fi設備、監視カメラ工事などニーズは年々拡大
- 営業せずに紹介で案件が来ている
- それでも、「月末に残るお金が少ない」
この状態を放置すると、“働いても働いても儲からない”状態に陥ります。
電気通信工事業が利益を出しにくい3つの理由
1. 単価の下落と競争の激化
- 元請けからの発注で利益が圧縮されがち
- 同業者との価格競争で無理な見積もりに応じがち
- 特に小規模工事では、「やればやるほど利益が出ない」ことも…
2. 材料費・下請け費の上昇
- ケーブル、機器、アクセスポイントなどの仕入れコストが高騰
- 配線やルーター設定を外注する場合、粗利が圧迫
- 材料ロスや再訪による“手間の増加”も要注意
3. 工期遅れ・再訪問による“実質赤字工事”
- 不在・設備不備などで再工事が発生しやすい
- 1回あたりの利益が小さく、1回の手戻りで赤字化するケースも…
財務分析=数字で“どの工事が儲かっているか”を見極める力
財務分析は、ただの会計処理ではありません。
現場の稼ぎを数字で評価し、利益を出す判断力を高めるための道具です。
電気通信工事業で財務分析がもたらす効果
- 案件ごとの粗利率の違いが分かる(例:LAN工事 vs Wi-Fi vs 防犯カメラ)
- 材料費・外注費のムダや過剰発注を見直せる
- 月ごとの収支・資金の波を把握し、計画的に仕事を受けられる
- 金融機関への説明・補助金申請にも“数字で語れる”会社になれる
事例紹介:財務分析で「稼げる経営」に転換した実例
<事例①>工事別利益分析で“やるべき案件”が明確に
X社では、案件別に「材料費・作業時間・売上」を記録し、粗利率を算出。
結果、防犯カメラ工事が一番効率が良いと判明。
LAN配線の下請け案件は撤退し、粗利率は月平均22%→36%に改善。
<事例②>資金繰り表の導入で支払いタイミングを最適化
Y社では、機器の仕入れが先行し、工事代金の入金が2ヶ月遅れ。
資金繰り表を導入し、入出金のズレを予測・調整できるように。
融資の相談もスムーズになり、無理な借入を減らすことに成功。
電気通信工事業におすすめの財務分析ステップ5選
- 案件ごとに売上・材料費・作業時間・外注費を記録
- 粗利率を比較し、“選ぶべき工事”を明確化
- 支払日・入金日を一覧化してキャッシュフローを把握
- 粗利率の低い元請け案件は受注基準を見直す
- 簡易レポートを作成し、銀行・補助金審査にも活用
これからの通信工事業は「現場力×経営力」が求められる時代へ
- 通信インフラの需要は拡大中
- ただし、競争は激化・単価は下降傾向
- 資材費・人件費・交通費も上昇
これから強い会社は、“現場も見えて、数字も読める経営者”がいる会社です。
まとめ:「働いてるのにお金が残らない」を終わらせる方法
- 案件ごとの粗利を見える化
- 再工事・ロス・仕入れ過多を防止
- 利益が出る工事に集中
- 数字で経営判断ができる
それが“財務分析”で変わる経営スタイルです。
現場を守るためにも、数字で未来を設計していきましょう。
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当事務所では、電気通信工事業者様向けに次のサポートを行っています:
✅ 案件別粗利分析テンプレート(Excel/Googleシート)
✅ 月次資金繰り表の導入支援
✅ 補助金・融資資料作成のサポート
✅ クラウド会計(MF/freee)対応
芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。