財務
「仕事は切れない。でも、通帳が寂しい」——とび・土工工事業にこそ財務分析が必要な理由とは?
「毎日現場に出てるのに、なぜお金が残らない?」——とび・土工業の“あるある”
- 朝早くから現場直行、毎日フル稼働
- 月末にはまとまった入金がある
- でも、支払いが追いつかない
- 借入と支払いの繰り返しで、いつもギリギリ
これは、“数字の見える化”ができていないことによる経営の危機信号かもしれません。
とび・土工業が直面している「利益が出にくい構造」とは?
1. 人件費と外注費の割合が高く、粗利が圧縮される
- 自社職人の人件費が毎月固定でかかる
- 応援作業員や外注業者への支払いも増加傾向
- 日当ベースの支払いに対し、請負工事の単価が合わない
結果、“回しても回しても利益が残らない”構造ができあがります。
2. 材料・重機費を含む工事の採算が読みにくい
- 足場資材のレンタル代や搬送コストが不安定
- 建材高騰による原価圧迫
- 車両維持・燃料代・保険料などの固定費が見えにくい
これらが「どこで儲かっていないのか分からない」経営感覚を生みます。
3. 支払い先行・入金遅延の“資金ギャップ”
- 協力業者への支払は即日または月末
- 入金は検査後+翌月末が基本
- 資金ショート寸前まで自転車操業になる会社も…
財務分析=現場の感覚に「数字の裏付け」を与える経営術
「財務分析」と聞くと難しそうですが、とび・土工工事業においては
“どの現場が儲かっているか”“どこに無駄があるか”を数字で見えるようにすることです。
数字で見えるとどうなる?
- 利益率の低い工事を避ける判断ができる
- 外注や応援作業の費用対効果を検証できる
- 適正な職人数・資材費・車両費の予算が組める
- 「いつ・いくら足りないか」が事前に分かり、資金対策が取れる
事例紹介:財務分析で改善したとび・土工業の会社
<事例①>日当支払いの内訳を可視化→人件費の適正化に成功
L社では、現場ごとに日当・作業時間・移動費などを記録し、案件ごとの人件費構造を分析。
「採算の取れない応援要員」を減らし、年間で人件費を350万円削減。
<事例②>資金繰り表を導入し、借入依存から脱却
M社では、工事ごとの支払・入金予定を一覧化。
資金の波を前もって把握できるようになり、月末借入の頻度が半分以下に。
とび・土工工事業におすすめの財務分析ステップ5選
- 工事単位での原価記録(人件費・材料費・外注費)を始める
- 案件別の粗利率を算出して“儲かる工事”を可視化
- 支払と入金のタイミングを一覧で管理(キャッシュフロー表)
- 固定費(車両費・保険料・リース代)を洗い出して月額コスト化
- 銀行や元請けに“数字で語れる経営資料”を提出し、信頼を得る
これからの現場は「動けるだけ」では生き残れない時代
昔は「身体を動かせば食える」仕事だったとび・土工業。
でも今は違います:
- 建材・資材価格の高騰
- 外注費・人件費の上昇
- 工事単価の横ばい
- 融資審査の厳格化
「動ける現場力」と「見える経営力」の両方が求められています。
まとめ:「俺たちは稼げてるはず」を卒業するために
- 手配・段取り・現場管理…誰よりも現場を知っている
- でも数字がわからないことで、会社が不安定になる
それを変えるのが財務分析=“数字で見る経営”です。
- 粗利率の高い現場を選ぶ
- 無駄な人員配置を防ぐ
- 資金の動きを読んで準備する
その力が、あなたの会社を守る最大の武器になります。
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✅ 金融機関・元請け向けレポート資料の作成支援
芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。