財務
「屋根の上では職人、経営では数字が味方」——屋根工事業にこそ必要な“財務分析”という武器
「仕事はある。でも利益がない」——屋根工事業のリアルな現場の声
- 受注は安定している
- 職人も稼働している
- 現場も順調にこなしている
それでも、月末の残高を見ると不安しかない。
——この状態、放置すると「黒字倒産」に繋がる危険もあります。
屋根工事業に利益が残らない“構造的な理由”
1. 季節・天候による売上の波
- 繁忙期(春・秋)は仕事が集中
- 夏・冬は天候リスクや作業不可が増加
- 売上のバラつきに対して、固定費は常に一定
キャッシュフローが崩れやすい原因です。
2. 材料費・足場代・外注費の圧迫
- 屋根材(瓦・板金など)の価格が年々高騰
- 足場が必要な工事が増え、その外注費が利益を圧迫
- 人手不足で応援職人に高単価を支払うケースも
これらの“積み重なる見えないコスト”が利益を削ります。
3. 保険工事・元請け依存による単価下落
- 保険対応工事で“価格が決められている”
- 元請け経由の仕事で価格交渉力が弱くなる
- 「忙しいのに儲からない」の代表例です
財務分析とは?数字で“現場と経営をつなぐ”ツール
財務分析は、「数字の難しい話」ではありません。
それは「どの現場が利益を出しているのか」「資金がいつ足りなくなるのか」を社長自ら把握するための道具です。
屋根工事業における主な分析ポイント
- 案件別の粗利率(利益が出る仕事・出ない仕事の可視化)
- 材料・外注・人件費の原価構成
- 支払い・入金のタイミングのズレ
- 月次ベースでの資金繰りの波
事例紹介:財務分析で経営が安定した屋根工事業者
<事例①>足場費・材料費を案件別に集計→“儲からない工事”を選別
P社では、案件ごとの粗利を記録。
特に足場費用が高すぎる現場や、追加工事の多い保険対応工事は利益が低いと判明。
受注基準を見直したことで、売上横ばいでも利益率は2倍以上に改善。
<事例②>キャッシュフロー表導入で借入の必要が半減
Q社は、季節による資金の山谷が激しく、毎年冬場に借入していた。
月ごとの支払予定・入金予定を可視化することで、繁忙期に資金を確保し、借入ゼロ経営へ。
屋根工事業におすすめの財務分析ステップ5選
- 案件別に原価・売上・粗利を記録(スプレッドシートやMFクラウド会計)
- 足場費・材料費・外注費などをコスト分類して見える化
- 月次キャッシュフロー表を作成し、資金の“谷”を予測
- 粗利率ランキングを作成し、“やるべき現場”を選別
- 税理士任せではなく、社長自身が数字を把握する体制づくり
これからの屋根業界は「数字が読める職人社長」が勝つ時代
今後、屋根工事業は次のような課題に直面します:
- 建材価格の高騰
- 職人の高齢化・人手不足
- 保険工事や元請け依存による粗利減少
- 融資や補助金の審査の厳格化
この時代に強いのは「現場が分かっていて、数字にも強い社長」です。
まとめ:「現場力 × 数字力」で、屋根の上から経営を変えよう
- 丁寧な仕事ができる
- お客さんにも喜ばれている
- でも通帳は不安
この状態を変えるのが“財務分析=見える経営”です。
- 儲からない現場をやめる勇気
- 資金の流れを事前に読む力
- 銀行や取引先に数字で説明できる力
それが、これからの時代に必要な“職人経営者の進化”です。
📊 屋根工事業のための「財務見える化支援」、無料相談受付中!
当事務所では、屋根工事業の経営者様向けに以下のサポートを行っています:
✅ 原価・利益分析テンプレートの提供
✅ 月次資金繰りの仕組み化支援(Excel or クラウド対応)
✅ 銀行・税理士と連携できる経営資料の整備
芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。