財務
「伝統ある技術。でも経営が不安定」——石工事業にこそ必要な“財務分析”のすすめ
「いい仕事をしても、お金が残らない」——石工事業に多い経営の悩み
- 墓石や記念碑、石塀など、手間のかかる工事ばかり
- 依頼主からの信頼も厚い
- でも、終わってみると「ほとんど利益が残っていない」
このような状況は、「数字の見える化」ができていないことに起因しています。
石工事業の“儲からない構造”とは?
1. 工事ごとの採算性が不明確になりがち
- 手間請け・材工込みの案件が混在し、原価計算が難しい
- 受注時に利益率を計算せず、あとから「赤字だった」と気づく
- 工期の長期化や天候の影響で、労務コストが膨らむ
2. 石材費や加工費が変動しやすい
- 石の仕入れ価格が上昇中
- 加工や輸送にかかるコストが大きい
- 「見積時と実際の原価のズレ」がそのまま利益を圧迫する
3. 高齢化・技術承継の遅れによる生産性低下
- 自社職人が減少し、応援・外注に依存
- 肉体負担の大きさにより若手採用が困難
- 現場単価を上げづらく、結果的に粗利率が下がる
財務分析=「数字で現場を見る力」を持つこと
「財務分析なんて大企業の話」と思っていませんか?
でも石工事業こそ、“数字が見えにくい構造”を持っています。
財務分析は、「利益が出る現場と、出ない現場を見極めるための武器」です。
数字で見えるようになること
- 粗利率の高い工事の傾向
- 材料費・加工費・運搬費・人件費の構成比
- 無駄な経費の見直し
- 月ごとの資金の波を先読みして、黒字倒産を防ぐ
事例紹介:財務分析で改善した石工事会社の実例
<事例①>案件別採算性を見える化→“稼げる仕事”に集中
N社では、1件ずつ「材料費・加工費・人件費・外注費・売上」を記録。
結果、売上は高いが赤字になる案件を3割カットし、年間粗利が1.8倍に改善。
<事例②>資金繰り表を導入→材料仕入れの時期を最適化
O社では、石材の一括仕入れにより資金がショート寸前に。
簡易キャッシュフロー表で毎月の支出・入金を予測し、仕入タイミングとロット数を調整。
借入に頼らない経営へと転換。
石工事業におすすめの財務分析ステップ5選
- 案件ごとの収支記録を始める(Excel or 会計ソフト)
- 材料費・加工費・外注費・労務費の内訳を明確にする
- 案件別の粗利率を計算し、“選ぶ仕事”を見極める
- 月次キャッシュフロー表で資金の谷間を予測する
- 数字で話せる経営資料を作成し、銀行・元請けとの信頼構築に活かす
これからの石工事業は「技術力×経営力」の両輪が不可欠
昔ながらの「丁寧な仕事」はもちろん価値があります。
でも、それだけでは今後の経営は成り立ちません。
- 材料費・加工費の高騰
- 職人不足
- 単価下落の圧力
- 融資審査の厳格化
こうした外的要因に耐えるには、「数字に強い職人経営者」になる必要があります。
まとめ:「この仕事、儲かった?」を答えられるようになるために
- 一つひとつの現場に愛着がある
- 技術には自信がある
- でも経営が安定しない…
その解決には「財務分析」が必要です。
数字で現場を見ることで、
- 赤字工事を避けられる
- 利益率の高い仕事に集中できる
- 借入や資金不足の不安から解放される
“技術だけでなく、経営にも自信が持てる”状態をつくりましょう。
📊 石工事業のための財務分析支援、無料相談受付中!
当事務所では、石工事業者向けに以下のサポートを提供しています:
✅ 案件別の原価・利益見える化テンプレート
✅ キャッシュフロー表の導入支援
✅ 銀行提出用の経営資料作成代行
芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。