財務

「1件の売上は大きい。でも、利益が残らない」——機械器具設置工事業に必要な“数字で強い経営”とは?

「大きな仕事をしてるのに利益が残らない」——よくある機械設置業の経営課題

  • 売上単価は数百万円から数千万円
  • 現場はしっかり動いている
  • なのに、決算を見ると「ほぼ利益ゼロ」または赤字…

これは、“利益構造が見えていない”ことが原因かもしれません。
財務分析を使って「数字の経営感覚」を取り戻しましょう。


機械器具設置工事業に利益が残らない3つの要因

1. 工事ごとの採算性が見えづらい

  • 設置工事は一品一様。工期・工程・作業員数が案件ごとに異なる
  • 材料費ではなく人件費・車両費・外注費がメインの原価構成
  • 結果として、「やってみたら赤字だった」が起こりやすい

2. 工期延長・仕様変更によるコスト膨張

  • 他業者や発注元の都合で設置日が延期・中断
  • 現場待機や段取り替えで、“見えない手間”が積み重なる
  • 追加費用を請求できない場合、原価オーバーで利益が飛ぶ

3. 重量機器・車両・人員のコストが固定化

  • ユニック車・クレーンなどの維持費・リース料
  • 特殊技能者や技術者の日当が高騰
  • 応援手配や外注施工で原価が読みにくくなる

財務分析=利益構造を“数値で把握”するためのツール

財務分析とは、「経営の通信簿」ではなく「未来の利益を守る設計図」です。
特に機械器具設置業のように変動が大きく、粗利が読みにくい業種には必須です。

財務分析で見えること

  • 案件別・工種別の粗利率
  • 人件費・車両費・外注費の内訳
  • 支払・入金サイクルとキャッシュフローの予測
  • “受けるべき工事”と“避けるべき工事”の判断基準

事例:財務分析で経営改善に成功した機械設置業者

<事例①>案件別原価分析で「儲からない現場」を見極め

T社では、過去2年間の案件を振り返り、

  • 作業日数
    -職人数
    -外注割合
    -原価合計
    を全件記録して分析。
    結果、「時間がかかる中規模工事ほど利益率が低い」ことが判明。
    営業を大手直請け・短期集中型工事にシフトし、利益率を年平均で12%→24%に改善。

<事例②>キャッシュフロー表導入で融資依存体質を脱却

U社では、重機搬入・解体撤去費の立替で毎月資金繰りに苦戦。
キャッシュフロー表を使い、発注時点での出金・入金タイミングを予測管理。
適切な支払スケジュールを交渉できるようになり、借入依存から脱却。


機械器具設置工事業におすすめの財務分析ステップ5選

  1. 工事ごとの原価記録(人件費・車両費・外注費・売上)を行う
  2. 案件ごとに粗利率を出し、ランキング形式で分析
  3. 工期延長リスクとそのコストを記録・計算に入れる
  4. 支払・入金予定を見える化し、キャッシュフロー表を毎月更新
  5. 粗利率の高い案件に営業・リソースを集中させる戦略を立てる

これからの時代は「技術×数字」の社長が会社を伸ばす

これからの機械器具設置業界はこうなります:

  • 資材・車両・人件費のさらなる上昇
  • 工事単価の値下げ圧力
  • 融資・補助金の審査強化
  • 技術者の高齢化と人材難

この時代に生き残るのは、「現場に強く、数字にも強い社長」です。


まとめ:工事が終わった後に「いくら儲かったか」を答えられますか?

  • 「ちゃんと終わった」けど、利益は?
  • 「頑張った割に残ってない」原因は?
  • 「次の現場で同じ失敗をしない」方法は?

すべて、財務分析で見えるようになります。
今こそ、“数字の経営者”に進化するチャンスです。


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