「忙しいのにお金が残らない…」その原因は“見えてない数字”かもしれません|造園業こそ財務分析が必要な理由
「忙しいのにお金が残らない」——造園業経営者にありがちな悩み
春・秋の繁忙期は毎日現場がパンパン、見積依頼も絶えない。
にもかかわらず、期末になると…
- 想像以上に利益が残っていない
- 給与や材料費の支払いに追われ、資金繰りが常に綱渡り
- 銀行の融資審査に苦戦する
こういった“モヤモヤ”を抱えていませんか?
実はこの状態、財務分析不足によって引き起こされている可能性が非常に高いのです。
造園業はなぜ“お金が残りにくい”のか?
1. 季節性が強く、年間収支の波が大きい
造園業は、春と秋に集中する繁忙期と、冬の閑散期という大きな波があります。
この“売上の季節偏重”が、資金繰りの悩みを生みやすくしています。
2. 案件ごとの原価差が大きい
公共工事、民間外構、年間管理契約…同じ造園業でも利益率は大きく異なります。
しかし「案件別の採算」が見えていないと、“売上はあるが儲かっていない仕事”に時間を奪われてしまうのです。
3. 人件費や外注費の管理が曖昧になりやすい
職人の稼働率、協力業者への支払い、人手不足による非効率など、労務原価の見えにくさが利益を圧迫します。
財務分析とは?——数字で現場を“見える化”する力
「財務分析」とは、過去の数字をただ振り返るものではありません。
数字で現場を理解し、経営判断に活かすための武器です。
造園業における主な分析ポイント
- 案件別粗利率の把握
- 季節別売上と経費の構造
- 労務費比率や外注依存率
- 現場ごとの支払いサイトと入金サイトの差
- 資金繰り表の作成による先読み経営
よくある勘違い:「税理士に任せてるから大丈夫」
税理士が出してくれる試算表や決算書は、“過去の成績表”にすぎません。
本当に必要なのは、「来月・来期に向けた意思決定に役立つ数字」です。
あなた自身が数字を読めるようになることが、事業継続のカギです。
事例でわかる!財務分析で変わった造園業の現場
<事例①>赤字案件の排除で、年商そのままで純利益2倍!
毎年3,000万円の売上を維持していたA社。
しかし利益は毎年50〜70万円…。
案件別の粗利分析を行った結果、公共工事が赤字の原因と判明。
民間案件に絞った結果、売上はほぼ同じでも、純利益は2倍以上に増加!
<事例②>資金繰り表を使い、冬季のキャッシュショックを回避
B社では、秋の売上で「今期も黒字」と安心していたが、1〜3月の固定費で一気に資金難に。
簡易キャッシュフロー表を導入したことで、資金の動きを前もって把握でき、融資の打診もスムーズになった。
造園業におすすめの財務分析ステップ5つ
- 案件別収支の記録開始(スプレッドシートやMFクラウドで)
- 繁閑の月別収支グラフ作成(視覚で“資金谷”を認識)
- 人件費・外注費の見える化(どこで無駄が出ているか確認)
- キャッシュフロー予測表を月次で導入
- 金融機関用に“数字で語れる社長”になる資料整備
これからの造園業は「数字が読める社長」が生き残る
経験・勘・人脈に頼る時代は終わりました。
これからの造園業に求められるのは「現場に強く、数字にも強い」社長。
資金の動きと現場の動きを繋げる=経営力の強化です。
まとめ:「忙しいのにお金が残らない」を終わらせるために
「数字なんてよく分からない…」そう思っていた経営者ほど、財務分析の効果を実感しています。
- 利益を残す案件を選べるようになる
- 冬季資金ショックに備えられる
- 無駄な外注や労務費を抑えられる
- 銀行に「強い会社」として評価される
数字は、あなたの味方です。
まずは現場と経理を“つなぐ視点”から、一緒に始めてみませんか?
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当事務所では、造園業に特化した財務見える化支援を行っています。
マネーフォワードやGoogleスプレッドシートなどを活用したデジタル導入も対応可能です。
次回は、「技術力だけでは生き残れない」——電気工事業にこそ必要な“数字の見える経営”とは?について解説いたします。
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