「厚生年金だけで安心?経営者が“iDeCo”でつくる人生後半の経済戦略」
✅ はじめに|「社長も厚生年金に入ってる。でも、それで十分ですか?」
中小企業の経営者の多くは、法人の役員報酬を受け取っており、厚生年金に加入しています。
「だから老後もある程度年金がもらえるはず」と、ひと安心されている方も多いのではないでしょうか。
でも、ここが盲点です。
🔸厚生年金をもらっても、生活に“足りる”とは限らない!
- 厚生年金の平均月額:約14万円(2023年度)
- 中小企業の社長の多くは、「報酬を抑えて」年金額も少なめに
- 事業引退後、現役時代の半分以下の収入になるケースも
つまり、「年金があるから安心」ではなく、“自分で上乗せする”時代なのです。
✅ 経営者が使える“年金の上乗せ制度”=iDeCo(イデコ)
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、「自分で年金をつくる仕組み」です。
給与から天引きではなく、自分の口座から掛金を拠出して、運用し、60歳以降に受け取る私的年金です。
🔹iDeCoの基本構造
項目 | 内容 |
---|---|
掛金 | 月5,000円〜62,000円(職業により上限あり) |
税制優遇① | 掛金全額が「所得控除」対象(毎年節税) |
税制優遇② | 運用益が「非課税」 |
税制優遇③ | 受取時も「退職所得控除」や「年金控除」あり |
引き出し | 原則60歳まで引き出し不可 |
✅ なぜ経営者にiDeCoが向いているのか?【3つの理由】
✅ ① 報酬を抑えている経営者ほど、公的年金が少ない
中小企業の社長は「役員報酬を経営の都合で低く設定している」ことも多く、その分、厚生年金額が少なくなりがち。
→ 将来の受給額が10万円未満になることも!
iDeCoで年金を“増やす”ことは、老後の生活安定に直結します。
✅ ② 節税しながら“資産形成”できる
たとえば年36万円をiDeCoで積み立てると、課税所得500万円の人で年間7万円以上の節税効果が。
→ 節税しながら、運用益も非課税で、将来の年金にもなる。
まさに経営者向けの資産づくり制度です。
✅ ③ 事業に頼らない「個人資産」が築ける
会社と運命共同体の経営者こそ、「事業と切り離されたお金」が必要。
iDeCoは、会社の資金繰りや倒産リスクと無関係に積み立てられるのが大きな魅力です。
✅ 経営者向け iDeCoの活用モデル
🔸ケース①:年収600万円の法人役員(50歳)
- iDeCo掛金:月62,000円(厚生年金加入者の上限)
- 年間744,000円の拠出 → 節税効果:22万円
- 60歳までの10年間継続 → 総積立額 約744万円+運用益
→ 安定運用で3%の利回りを想定すると、約878万円の老後資産に!
🔸ケース②:小規模企業共済と併用
- 小規模共済:退職金(受取時にまとまったお金)
- iDeCo:年金型(60歳以降、定期的な収入)
→ 併用することで、「まとまったお金」と「月々の年金」両方を得られます。
✅ 注意点も押さえておこう【経営者向け】
❗ iDeCoは「引き出せない」お金
万が一、資金繰りが悪化しても、iDeCoは原則60歳まで引き出し不可。
→ 無理のない掛金設定を。
❗ 法人の経費にはできない
あくまで「個人の所得控除」になるため、法人の経費にはなりません。
→ 節税効果は“個人の所得税・住民税”に。
❗ 投資リスクもある
選ぶ商品次第で、損をする可能性もゼロではありません。
→ 初心者はバランス型投信やインデックス投資信託を選ぶのが無難です。
✅ よくある質問Q&A|経営者編
Q. 経営者はiDeCoの掛金いくらまでできる?
→ 厚生年金に加入している法人役員は、最大 月6万2,000円が上限です。
※自営業者(国民年金のみ)なら月7万5,000円まで可能
Q. 法人が拠出できる?
→ できません。あくまで「個人型」確定拠出年金。
掛金も経営者個人の口座からの引き落としになります。
Q. 経営者はiDeCoと小規模共済どちらがいい?
→ どちらかではなく「両方」が正解。
役割が違うので、バランスよく併用することで資金戦略が整います。
✅ まとめ|iDeCoは“社長の人生を支えるもう一本の年金柱”
厚生年金があるから大丈夫?
いえ、社長は報酬をコントロールしているからこそ、「もらえる額」も低くなりがち。
会社に頼らず、事業にも左右されない、“自分のための安心資金”をつくる手段。
それがiDeCoです。
✅ 月1万円から
✅ 毎年の節税効果あり
✅ 老後の自分に返ってくる
忙しい社長業の合間に、未来の自分に仕送りする感覚で、ぜひはじめてみてください。
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- iDeCoの始め方がわからない
- 小規模共済とどう使い分ける?
- NISA・法人保険とのバランスは?
そんな疑問に、税理士 × 財務コンサルの視点でお応えします!
資金繰りと老後資産形成の両立、一緒に考えましょう。
次回は、「iDeCoは経営者に本当に必要?メリットとデメリットを“ぶっちゃけ”で解説します」についてご紹介します。
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