フランチャイズで開業資金を借りるには?金融機関が重視する資料と事業計画の作り方
フランチャイズ加盟で融資を成功させる!
〜 金融機関が納得する「提出資料」と「信頼される事業計画」の作り方 〜
はじめに
フランチャイズに加盟して事業を始める――
これは、個人の経験やノウハウがなくても、ブランド力や経営ノウハウを活かして成功しやすいビジネスモデルです。
しかし、多くの経営者が最初に直面するのが「資金調達の壁」です。
「フランチャイズに加盟するために、開業資金を銀行から借りたいが、何をどう準備すればいいかわからない」
という相談は非常に多いです。
実際、金融機関はフランチャイズ案件に対して「慎重」な姿勢をとります。
なぜなら、加盟すれば成功するとは限らない ことを、銀行は知っているからです。
では、銀行が安心して融資を出すには、どんな資料・情報が必要なのか?
そして、フランチャイズ本部からどんなデータをもらえば、審査を有利に進められるのか?
この記事では、
融資に通るフランチャイズ加盟の準備方法と、銀行が本当に求めている資料を、事例を交えて詳しく解説します。
銀行が「フランチャイズ加盟案件」を慎重に見る理由
まず知っておきたいのは、銀行がフランチャイズ加盟者をどう評価しているかです。
【1】失敗事例が多く、収益の再現性に不安がある
表向きは「加盟すれば成功できる」と聞こえても、
実際には本部が想定する売上に届かないケースが少なくありません。
銀行は、**「過去のフランチャイズ加盟者の成否」**を分析しています。
そのため、「どこの本部に加盟するか?」が大きな評価ポイントになります。
【2】本部の指導内容が曖昧な場合、リスクと見なされる
金融機関は、フランチャイズ本部が「経営指導・教育」をどこまで行うかも重視します。
- 本部のサポート内容
- 開業後のフォロー体制
- 経営データの共有頻度
これらがしっかりしていれば、銀行は「成功の再現性が高い」と判断します。
【3】加盟金・ロイヤリティの負担が大きい
フランチャイズ契約では、加盟金・保証金・研修費・ロイヤリティなど、多くの費用が発生します。
これらが売上計画に見合っていないと、銀行は「返済余力が低い」と判断します。
つまり、銀行にとって重要なのは「ブランド」ではなく、数字の裏付けです。
融資審査を通すために必要な「3つの視点」
銀行が審査で確認するのは、次の3点です。
| 視点 | 内容 | 確認資料 |
|---|---|---|
| ① 本部の信頼性 | 実績・サポート体制 | 本部資料・加盟実績一覧 |
| ② 事業計画の妥当性 | 売上・利益・返済計画 | 加盟者の事業計画書 |
| ③ 経営者の信頼性 | 経歴・資産・人格 | 経歴書・預金残高証明・面談 |
この3つが揃うことで、銀行は融資実行に前向きになります。
フランチャイズ本部からもらうべき「5つの資料」
加盟予定の本部には、必ず次の資料を依頼しましょう。
これらを揃えるだけで、金融機関の反応は格段に変わります。
① 直営店および加盟店の「損益実績データ」
金融機関が一番重視するのがこの資料です。
- 月間売上・粗利・営業利益
- 平均投資回収期間
- 売上変動の幅(繁忙期・閑散期)
これらのデータが3年以上分あるとベストです。
銀行は「黒字店舗の比率」をチェックします。
8割以上が黒字であれば、非常に信頼されやすいです。
② 開業モデル(収支シミュレーション)
加盟者向けの「モデル収支表」は必須。
| 項目 | 内容例 |
|---|---|
| 初期投資額 | 1,200万円(内訳:加盟金200万、設備費700万、運転資金300万) |
| 売上高 | 月商300万円 |
| 粗利率 | 40% |
| 営業利益 | 月30万円想定 |
| 回収期間 | 約3年 |
このモデルが銀行の返済計画と整合していると、融資はスムーズに進みます。
③ 本部の会社概要・信用資料
- 会社概要
- 財務諸表(直近2期分)
- 登記簿謄本
- 本社所在地の写真やパンフレット
これらは銀行の「信用リスク部門」が分析します。
財務内容が健全な本部ほど、融資に前向きです。
④ 加盟契約書(ドラフト)
銀行は、加盟契約書の中身を必ず確認します。
- ロイヤリティ率
- 契約期間
- 途中解約条件
- 競業避止義務
これらの条件が過度に厳しいと、銀行は「自由度が低くリスクが高い」と判断します。
⑤ サポート体制の証明資料
- 研修プログラムの内容
- 本部スタッフの数
- オープン時の支援内容(広告・チラシ・内装設計など)
銀行は「本部が放置型か、伴走型か」を重視します。
伴走型サポートのある本部は、確実に評価が上がります。
融資審査が通りやすい「フランチャイズ本部」の特徴
| 特徴 | 銀行の評価 |
|---|---|
| 直営店が黒字で3年以上継続 | ◎ 安定性高い |
| 加盟者の撤退率が低い | ◎ 成功率高 |
| 会計・管理支援がある | ◎ 経営透明性高 |
| 定期報告・勉強会あり | ○ 信頼関係あり |
| 契約条件が明確 | ○ 予見可能性あり |
実例:同じ加盟希望でも結果が分かれたケース
Aさん(資料提出しっかり)
- 本部資料一式+3年分損益データ提出
- 自作の収支計画書添付
→ 満額1,500万円融資、金利1.5%、保証付き
Bさん(資料不十分)
- パンフレットと加盟契約書だけ提出
→ 700万円のみ承認、金利2.0%、短期返済条件付き
銀行は、「数字」と「裏付け」を最重視します。
口頭説明よりも、エビデンスを重ねることが最も効果的です。
融資が通りやすくなる「事業計画書」の作り方
【1】自己資金比率を明確に
最低でも「投資額の1/3」は自己資金があると信頼されます。
【2】3年間の収支予測を具体的に
銀行は1年目の赤字を想定しています。
そのため、2年目・3年目で黒字転換できる計画を必ず提示。
【3】運転資金の内訳を明示
「何に・いくら使うか」を明確に書くこと。
例:人件費200万、広告費50万、仕入150万など。
【4】販売戦略・客層分析
立地・競合分析を盛り込むと、説得力が格段に上がります。
銀行面談で聞かれる質問と答え方
| 質問 | ポイント |
|---|---|
| なぜこのフランチャイズを選んだのですか? | 本部の実績と自分の強みをセットで説明 |
| 失敗した場合、どうリカバリしますか? | 他収入・家族支援・副業など具体策 |
| 売上が想定を下回った場合の対策は? | 固定費圧縮策・販促強化策を説明 |
| ロイヤリティ負担をどう見る? | 支援価値とのバランスを語る |
まとめ|「資料」と「信頼性」が融資を決める
フランチャイズ加盟時の融資は、銀行にとって「本部+加盟者」の両方を評価する案件です。
そのため、“本部資料の質”が融資の通過率を左右します。
📌ポイントを整理すると👇
- 本部から「損益データ・加盟者実績・サポート内容」を入手
- 自社の資金計画書・資金繰り表を作成
- 自分の経歴・強みを数字で語る
銀行は「リスクを説明できる経営者」にお金を貸したがります。
最後に
フランチャイズ加盟は、個人の夢を形にする第一歩です。
ただし、資金調達の準備が成功の分かれ道。
融資に通るためには、
「事業計画 × 資料の裏付け × 経営者の信頼」
この三拍子を整えることが重要です。
もし、フランチャイズ融資の資料作成や銀行交渉に不安がある方は、
専門家のサポートを受けることでスピードと成功率が格段に上がります。
私は、これまで数多くのフランチャイズ加盟支援・融資サポートを行ってきました。
銀行が納得する計画書と、説得力あるプレゼン資料の作成までトータルで伴走します。
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そんな経営者の挑戦を、私は全力でサポートします。
芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。