借入金に頼る経営から脱却!ドンブリ勘定を改善して銀行に評価される方法
ドンブリ勘定な経営者ほど借入金に依存する理由と改善の道筋~融資を有利に進めるための財務改善術~
はじめに
「売上は上がっているのに、なぜかお金が残らない」
「資金繰りが厳しいので、とりあえず借入でしのぐ」
このような状況に陥っている経営者の多くは、財務管理が「ドンブリ勘定」になっているケースが少なくありません。
ドンブリ勘定経営は、数字に基づかない経営判断 → 借入依存 → 資金繰り悪化 という悪循環を生み出します。
しかし、改善の道はあります。財務を見える化し、正しい経営判断ができれば、銀行からの評価も変わり、融資条件が改善するのです。
この記事では、
- ドンブリ勘定が借入金依存を招く理由
- 改善するための具体的ステップ
- 改善したら起こる良い変化(融資面の効果)
を整理し、経営者に「財務改善の必要性」を強く感じてもらえる内容にしました。
1. ドンブリ勘定経営とは?
定義
ドンブリ勘定とは、正確な数字を把握せず、感覚的にお金を管理する経営スタイルを指します。
- 「だいたい黒字だろう」
- 「現金が口座にあるから大丈夫」
- 「税理士に任せているから心配ない」
こうした姿勢は一見ラクですが、資金繰りの実態が見えなくなります。
ドンブリ勘定に多い特徴
- 売上や利益は把握しているが、キャッシュフローは見ていない
- 月次決算をしていない
- 試算表を見ても数字の意味を理解していない
- 借入返済額を将来にわたってシミュレーションしていない
2. ドンブリ勘定が借入依存を招く理由
① 資金繰りを数字で把握していない
利益が出ていても、現金が足りなくなることがあります。
しかしドンブリ経営者は「黒字=お金がある」と思い込み、資金ショート寸前になってから慌てて借入を申し込む傾向があります。
② 借入返済能力を見誤る
銀行は「返済能力」を厳しく見ています。
しかしドンブリ経営者は返済計画を立てず、安易に借り入れてしまうため、返済が重く資金繰りを悪化させます。
③ 銀行評価が低下する
数字を提示できない経営者は、銀行から「計画性がない」と判断されます。
結果、借入の条件は悪化し、金利が上がったり、保証を求められたりします。
3. ドンブリ勘定からの脱却 ― 改善のステップ
ステップ① 月次決算の導入
- 毎月の試算表を作成し、売上・利益・キャッシュを見える化する
- 銀行も「月次で数字を管理できているか」を評価しています
ステップ② 資金繰り表の作成
- 1か月先、3か月先、半年先のキャッシュ残高を予測する
- 返済や仕入支払いを見込んだ「資金繰り予測」ができれば、余裕をもった借入が可能に
ステップ③ 借入金残高と月商の倍率を確認
- 借入金残高が月商の3倍以内なら健全、6倍で要注意、12倍超なら危険
- 自社がどのランクにあるかを確認し、融資戦略を立てる
ステップ④ 事業計画書の作成
- 単なる数字の羅列ではなく「なぜこの借入が必要か」「どう返済するか」をストーリー化
- 銀行は「計画性」を重視するため、事業計画があるだけで評価が変わる
ステップ⑤ 外部専門家の活用
- 税理士や財務コンサルに相談し、数字の読み方を学ぶ
- 生成AIやクラウド会計を活用し、数字の分析を自動化する
4. 改善したら何が変わるのか?(融資面の効果)
効果① 銀行評価が上がる
- 「数字を把握している経営者」は信頼される
- 融資審査のスピードも速く、条件も有利になる
効果② 金利・返済条件が改善する
- 財務体質が健全と評価されれば、低金利で借入可能
- 長期返済枠を認めてもらいやすくなる
効果③ 融資枠が広がる
- 「管理できている会社」には銀行も積極的に資金提供
- 将来の事業拡大や新規投資がやりやすくなる
効果④ 借入依存からの脱却
- 資金繰りに余裕ができ、借入に頼らない経営へ
- 「攻めの資金調達」が可能になり、成長スピードが上がる
5. 事例で学ぶ改善効果
事例1:赤字決算でも追加融資を獲得
飲食業A社は、利益がマイナスで資金繰りも悪化していた。
→ 財務診断を行い、資金繰り表と改善計画を作成。銀行に提示したところ、「改善余地あり」と評価され、追加融資を獲得。
事例2:月次決算で銀行評価が激変
建設業B社は、決算書しか作っておらず銀行評価が低かった。
→ 月次決算と資金繰り表を整備。銀行に提出したところ、「管理能力が高い」と評価され、低金利の借換に成功。
事例3:借入依存からの脱却
小売業C社は、資金不足のたびに借入に頼っていた。
→ 数字を管理し、不要な経費を削減。借入金残高を半減させ、資金繰り改善。今では新規投資を自己資金で賄える体制に。
まとめ
- ドンブリ勘定経営は「数字に弱い → 借入依存 → 資金繰り悪化」の悪循環を招く
- 改善のステップは「月次決算」「資金繰り表」「借入残高チェック」「事業計画書」
- 改善すれば銀行評価が上がり、金利条件や融資枠が改善される
- 借入依存から脱却し、「攻めの資金調達」が可能になる
最後に
融資を受けやすい会社とそうでない会社の差は「業績」よりも「数字を把握しているかどうか」にあります。
ドンブリ勘定から脱却し、財務を見える化するだけで、銀行の目は大きく変わります。
もし今「資金繰りが厳しい」「借入依存から抜け出せない」と悩んでいるなら、まずは数字を整えることから始めましょう。
その一歩が、銀行に評価される経営への転換点になります。
芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。