「“儲かっているのにお金が残らない”建設業にこそ必要な財務分析のチカラとは?」
「売上はあるのに、なぜかお金が残らない」——それ、建設業あるあるです
「今期も黒字。でも手元資金はギリギリ」
「大口案件が入ったのに、キャッシュが増えない」
「利益は出ているのに、なぜか資金繰りに追われる」
このような悩みを抱える建設業の経営者の方は少なくありません。
その原因の多くは、経営数字の“把握不足”にあります。
特に建設業は、他業種以上に「財務分析による意思決定」が経営の明暗を分ける業界です。
なぜ建設業は“財務に弱い”と言われるのか?
建設業は特殊な会計処理や商慣習が多く、数字が見えにくい構造を持っています。
建設業にありがちな会計上の特性
- 工事進行基準により「売上のタイミング」が複雑
- 外注費・材料費の変動が激しく、粗利率が安定しない
- 前受金・未成工事支出金・完成工事未収入金など、現金とは異なる“資金ギャップ”の発生
- 資金繰りが“入金タイミングに左右される”構造
このような特徴から、「帳簿上は黒字」でも、「実際には赤字同然の資金状態」に陥っているケースも多々見られます。
財務分析とは?建設業にとっての意味と目的
「財務分析」と聞くと、経理部や税理士の仕事と思われがちですが、本来は「経営判断のための道具」です。
建設業で財務分析を行うメリット
- 利益率の高い工事・顧客を見極められる
- 原価管理が可能になり、無駄なコストを削減
- 資金繰りの予測精度が上がり、融資や設備投資の計画が立てやすくなる
- 決算書が“経営の武器”になる
「見える化された数字」は、社長の経営判断にスピードと自信をもたらします。
よくある誤解:「決算書が読めればOK」は大間違い
「うちは毎月試算表をもらってるし、税理士とも打ち合わせしてるから大丈夫」
——そう思っていませんか?
それは“結果を聞いているだけ”の可能性が高いです。
重要なのは「結果」より「プロセス」
財務分析とは、結果ではなく原因を掘り下げ、次の行動に活かすこと。
例えば、「利益が減った理由は?」に対して、
- 粗利率が下がっている?(外注費や材料費の増加)
- 売上単価が下がっている?(値引き・価格競争)
- 労務費が上がっている?(人件費の高騰)
など、数字から“改善すべき点”が見えてきます。
事例で見る!財務分析で生まれ変わった建設会社
<事例①>粗利率が15%改善!
ある外構工事会社では、過去3年の原価率を分析し、材料費と外注費のバランスを調整。
施工管理アプリと連携して原価管理を強化した結果、粗利率が10%→25%に改善。
その結果、1年でキャッシュフローが安定し、無借金経営へ転換。
<事例②>利益を生む案件だけを選別
電気設備業のA社では、受注時に“予測粗利”を出すシートを導入。
売上の多い赤字案件を切り、利益率重視の受注へ方針転換。
結果、年商は減ったが、純利益は2.3倍に。
建設業におすすめの財務分析の視点5選
- 案件別損益管理:赤字案件を炙り出し、採算性を見極める
- 部門別・現場別の粗利率比較:どの工事が稼げているのかを知る
- キャッシュフロー分析:未収金や前受金の“ズレ”を可視化
- 経費の固定費と変動費の分解:コスト構造を見直す
- 借入と返済計画の最適化:金融機関との関係性強化にもつながる
これからの建設業は「財務が読める社長」が勝つ
人材不足、原価の高騰、価格競争の激化——建設業を取り巻く環境は厳しさを増しています。
この時代に求められるのは、「現場感覚 × 数字の把握力」を兼ね備えた経営者です。
つまり、“財務が読める社長”が、会社を生き残らせ、成長させられるのです。
まとめ:数字は「結果」ではなく「未来を変える武器」
財務分析は、単なる会計処理ではありません。
数字を“読める”ようになることで、会社の未来を「選べる」ようになります。
建設業こそ、今すぐ数字に強くなりましょう。
「財務の武器化」ができれば、あなたの会社はもっと強くなれます。
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次回は、「忙しいのにお金が残らない…」その原因は“見えてない数字”かもしれません|造園業こそ財務分析が必要な理由について解説します。
ホームに戻る芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。