【経営者必見】令和7年度税制改正のポイントと注意点|基礎控除の特例とは?施行日は12月1日!
こんにちは!税理士の長岡です。今回は、令和7年11月30日以前の準確定申告書は、「更正の請求書」が必要という内容についての内容になります。最後までお読みいただけると幸いです。
はじめに:29年ぶりの異例な修正案、あなたの所得税にも影響が?
2025年(令和7年)の税制改正は、近年まれに見る「国会での修正可決」が行われた年となりました。
その結果、所得税に関する重要な変更点が盛り込まれ、12月1日という異例の施行日が設定されています。
この記事では、特に中小企業の経営者が押さえておくべき「基礎控除の特例」や「給与所得控除の改正」などについて、実務に役立つ視点からわかりやすく解説します。
1. 今回の税制改正の背景とポイント
■ 29年ぶりの予算案修正
令和7年度の税制改正では、衆議院において予算案に修正が加えられるという、29年ぶりの異例の事態が発生しました。
■ 改正の適用開始は「令和7年12月1日」
これにより、令和7年(2025年)の所得税は、施行日前と施行日後で異なる取り扱いが必要になります。
2. 改正ポイントは3つ!すべてが“控除”に関する変更
(1)基礎控除の引き上げ + 新たな特例創設
- 基礎控除が10万円引き上げ:48万円 → 58万円
- 同時に「基礎控除の特例」も創設されることで、実務上の判断が必要に。
(2)給与所得控除の最低保証額を引き上げ
- 最低保証額:55万円 → 65万円
- サラリーマンの給与所得者にとっても恩恵が大きい改正です。
(3)特定親族特別控除の創設
- 新設される控除で、家族構成に応じて所得税の減税が見込めます。
3. 経営者が気をつけたい「施行日」の落とし穴
今回の改正は、すべて令和7年12月1日から施行という「年の途中」である点が大きなポイントです。
これにより、以下のような税務処理の注意点が生じます。
■ 11月30日以前に発生する所得に注意!
年内でも、11月30日までに発生した所得については「旧制度」で計算する必要があり、12月1日以降の所得には「新制度」が適用されます。
このようなケースが該当します:
- 年の途中での死亡または出国による「準確定申告」
- 11月末までに行われた年末調整(特別な事情による早期手続き)
4. どう対応すればいい?経営者のための実務対応策
■ 年末調整を11月以前に行う場合
以下のような流れで対応が必要です:
- 一旦、旧制度に基づいた控除額で調整する
- 施行日(12月1日)以降に確定申告を行うことで、改正内容を反映
■ 準確定申告を行う場合
例えば、納税者が11月中に亡くなった場合などには…
- まず旧制度で準確定申告を行い、
- 後日、更正の請求(5年以内)を行うことで、新制度の控除額を反映することが可能です。
5. 基礎控除の「特例」って?中小企業が押さえておきたいポイント
新たに創設された「基礎控除の特例」は、個々の納税者の合計所得金額に応じて控除額を調整する仕組みです。
高所得者にとっては控除額が減額される可能性があるため、以下のような点に留意する必要があります。
合計所得金額 | 控除額の目安 |
---|---|
2,400万円以下 | 原則58万円 |
2,400万円超~2,500万円以下 | 段階的に控除減額 |
2,500万円超 | 控除対象外 |
※詳細な判定基準や影響の有無は、税理士等への確認をおすすめします。
6. 節税・資金繰りへの影響は?実例で考える
■ 経営者が給与を受け取っている場合
今回の改正で「給与所得控除+基礎控除」の合計が20万円アップする可能性があり、税負担が軽くなります。
例)年間給与所得が600万円の社長
→ 改正前と比べ、所得税が約3〜5万円軽減される可能性あり。
■ 経理・給与計算システムへの影響
年末の段階で制度が切り替わるため、会計ソフト・給与計算ソフトへのアップデートが必要です。対応漏れがあると、控除が反映されない可能性があります。
7. よくある質問(Q&A)
Q. 令和7年12月1日以降に年末調整をする場合は?
→ 新制度に基づいた控除額(例:基礎控除58万円)で調整すればOKです。
Q. 年の途中で社員が退職した場合の年末調整は?
→ 11月末以前に退職した場合は、原則として旧制度を適用。後日、本人が確定申告で控除適用可能です。
まとめ:この改正、「知らなかった」では済まされない!
今回の令和7年度税制改正は、いつも通りの年末調整や申告とは異なり、「施行日が12月1日」であることが最大の注意点です。
特に経営者や経理担当者は、制度の移行タイミングや控除額の変更にしっかり対応できるよう、事前準備をしておくことが重要です。
この記事を読んだら、まずやっておきたいこと
- ✅ 会計・給与ソフトが新制度に対応しているか確認
- ✅ 年末調整のスケジュールを見直す
- ✅ 役員報酬・社長給与の税額シミュレーションを再チェック
- ✅ 不明点は税理士に相談!