コラム

子育て支援?それとも限定措置? 令和8年に適用される生命保険料控除の特例に注意

こんにちは!税理士の長岡です。昨年末に公表された「令和7年度 税制改正大綱」では、いわゆる「年収の壁」への対応が大きく取り上げられましたが、実はそれ以外にも注目すべきポイントが含まれています。

今回は、その中から 「生命保険料控除の一部引き上げ(特例)」 についてご紹介します。


💡 生命保険料控除って?

生命保険料控除とは、納税者が支払った生命保険料(一般・介護医療・個人年金)に応じて、所得から一定額を差し引くことができる制度です。所得控除の一種であり、節税効果があります。

現行制度では、平成24年以降に契約した「新契約」に対して、各種控除枠が設けられています。


📌 改正のポイント

🔹 改正内容:一般生命保険料控除の一部引き上げ
令和8年(2026年)の1年間限定で、以下の特例が導入される予定です:

  • 対象者:23歳未満の扶養親族を有する納税者
  • 対象保険:「新契約」に該当する一般生命保険料
  • 内容:当該保険料控除の限度額が一部引き上げ(具体な金額は今後詳細確定)

※介護医療保険料や個人年金保険料には変更ありません。
※全体としての控除上限(12万円)にも変更はありません。


⚠ 税理士の視点:実効性には疑問も…

一見すると子育て支援に見えるこの改正ですが、適用期間が令和8年の1年限定である点や、**対象者がかなり限定的(子育て世帯の一部)**であることから、実際の減税効果は限定的といえるでしょう。

また、制度の複雑化につながる可能性もあり、申告の際に適用漏れや誤記載が生じやすくなる点は懸念材料です。


✅ 税理士からのアドバイス

・対象となる方は、令和8年分の保険料支払証明書を大切に保管しましょう
・保険契約の内容(新契約か旧契約か)をあらかじめ確認しておくことが重要です
・控除を受けるには、確定申告または年末調整時の正確な申告が必要です


✉ 最後に

今後さらに制度の詳細が明らかになってくると見られます。対象となり得るご家庭の方は、早めの情報収集と準備を心がけてください。必要に応じて、顧問税理士にご相談いただければ、確実な対応が可能です。


今後も、税制改正の最新情報や節税のヒントをお届けしてまいります📩
引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

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