コラム

【最大9,000万円!】中小企業の挑戦を後押し「新事業進出補助金」とは?~申請のポイントと活用法~

こんにちは!税理士の長岡です。今回は、新しく創設された補助金「新事業進出補助金」についての内容になります。最後までお読みいただけると幸いです。

はじめに:中小企業こそ「挑戦」が必要な時代

原材料費の高騰、人手不足、国際競争の激化…。中小企業を取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。そんな中、企業の将来を切り拓く「新事業」へのチャレンジを後押しする制度が誕生しました。

それが、令和7年度よりスタートした【中小企業新事業進出補助金】です。

本記事では、この補助金の制度概要、補助対象、活用例、注意点などをわかりやすく解説します。自社の成長戦略の一手として、ぜひ活用をご検討ください。


1.中小企業新事業進出補助金とは?

本補助金は、既存事業とは異なる「新市場」「高付加価値事業」への進出にかかる設備投資やマーケティング費用を支援する制度です。

中小企業が新たな成長領域に挑戦し、生産性・収益の向上と従業員の賃上げを目指すことを目的としています。


2.補助対象者は?

  • 中小企業等であり
  • 企業の成長・拡大に向けて既存事業とは異なる新規事業への挑戦を行う企業

業種や地域に制限はなく、全国の製造業・サービス業・建設業など、幅広い中小企業が対象となります。


3.補助金額と補助率(超重要!)

■ 補助率:1/2(50%)

つまり、対象経費の半分が補助されます。

■ 補助上限額(従業員規模に応じて異なる)

従業員数通常上限大幅賃上げ特例上限
20人以下2,500万円3,000万円
21〜50人4,000万円5,000万円
51〜100人5,500万円7,000万円
101人以上7,000万円9,000万円

※補助下限は750万円。小規模事業者の場合でもある程度の投資規模が求められます。


4.大幅賃上げ特例とは?

補助金額の上限を引き上げる特例が用意されています。以下の2つを事業終了時点で達成した場合に適用されます。

  1. 事業場内最低賃金が+50円
  2. 給与支給総額が+6%

賃上げに積極的に取り組む企業ほど、より高額の補助金を得られる仕組みです。


5.補助対象経費(かなり幅広い!)

補助対象は多岐にわたり、新規事業の立ち上げに関わるさまざまな支出が対象です。

  • 建物費、構築物費
  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費・専門家経費
  • 運搬費・外注費
  • クラウドサービス利用料
  • 知的財産権等関連費
  • 広告宣伝費・販売促進費

👉 設備投資からブランディングまで補助対象になるため、極めて使い勝手の良い補助金といえます。


6.活用事例(イメージ)

  • 製造業の転換例
     → 機械加工業が半導体部品製造へ進出
  • 異業種参入例
     → 医療機器メーカーがウイスキー製造に進出(蒸留所建設)

このように、既存の技術・ノウハウを活かしながら、新たな収益モデルを確立する取り組みが補助の対象です。


7.スケジュール:いつ申請できる?

■ 第1回公募スケジュール(2025年度)

  • 公募開始:令和7年4月22日(火)
  • 申請受付:令和7年6月頃(予定)
  • 公募締切:令和7年7月10日(木)

※最新スケジュールは公募要領の公表を要確認


8.申請〜補助金受取までの流れ

補助金の流れは以下のようになります:

  1. 事業計画の検討・策定
  2. 申請書類提出(締切厳守)
  3. 審査・交付候補者の決定
  4. 交付申請・交付決定
  5. 補助事業の開始
  6. 事業完了後、確定検査・補助金の請求
  7. 補助金の支払い(事後精算型)

9.補助金申請のポイント

  • 新事業の独自性・将来性を明確に伝える
  • ✅ 賃上げ目標の達成見込みを盛り込む
  • ✅ 数字に基づく「収益シミュレーション」を記載する
  • 専門家(認定支援機関)との連携が鍵!

10.注意点と事前準備

  • ☑ 補助対象経費はあくまで「交付決定後」の支出のみ
  • ☑ 先行投資は原則補助対象外
  • ☑ 計画書は簡潔かつ説得力のある構成が必要
  • ☑ 賃上げ条件の達成が不十分な場合、補助金減額・返還の可能性あり

まとめ:今こそ“攻め”の投資を後押しする制度を使おう

本補助金は、単なる設備投資の支援ではなく、「新事業による企業変革」を後押しする制度です。

  • 「既存市場が頭打ち」
  • 「成長分野に乗り出したい」
  • 「収益性の高い事業構造に転換したい」

そんな悩みを抱える中小企業経営者にとって、これ以上ないチャンスです。
しっかりとした準備と実行計画を立て、補助金の力を成長のエンジンに変えていきましょう。

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