財務
「手間はかけてる。でも利益が残らない…」——大工工事業が数字で強くなる“財務分析”のはじめ方
「いい仕事をしているのに、なぜか儲からない」——それ、大工業の共通課題です
- 「丁寧な仕事が信条」
- 「お客さんからの信頼もある」
- 「忙しいのに、通帳はスカスカ」
これは、あなたの努力が報われていないわけではなく、“数字で見る力”が不足しているだけかもしれません。
「大工工事業こそ、財務分析が経営改善のカギ」——その理由をお伝えします。
大工工事業の“利益が残りにくい構造”とは?
1. 人件費と手間代の見積もり精度が低い
- 現場によってかかる時間がバラバラ
- 職人の手間が“見積外”で発生する
- お客さんの要望変更に追加費用を取れない
結果、“現場を回せば回すほど薄利”という状態に陥りがちです。
2. 材料費の変動と立て替え負担
- 合板・木材価格の不安定さ
- 材料発注の先払い、入金は完工後
- 「立て替えて現場に持ち込む」資金負担が大きい
現場に追われているうちに、キャッシュが足りない状態になってしまいます。
3. 自社の損益が感覚まかせ
- 「帳簿は税理士任せ」
- 「売上が上がってるから大丈夫」
- 「黒字なのに、何が苦しいのかわからない」
これでは、利益が出ない“原因”が見えません。
財務分析とは?大工工事業にとっての意味
「財務分析」とは、経理の話ではありません。
それは、「自分の会社がどうやって儲けているかを数字で見えるようにする技術」です。
財務分析がもたらすメリット
- 案件ごとの粗利率のばらつきが見える
- 自社の人件費・外注費・材料費の構造が理解できる
- 月ごとの資金の流れが予測できる
- 無理のない利益体質への設計図が描ける
事例紹介:財務分析で変わった大工工事の現場
<事例①>見積外の手間を洗い出し、利益率が15%向上
I社では、工事完了後に「実際にかかった手間・工数」をExcelで記録。
見積もりに反映する改善を繰り返した結果、月次粗利が20% → 35%に上昇。
<事例②>材料費の波を予測して、仕入タイミングを工夫
木材価格が月ごとに変動する中、相場と仕入タイミングの関係を分析。
先行仕入・まとめ買いを導入し、年間で150万円以上のコスト圧縮に成功。
大工工事業におすすめの財務分析ステップ5選
- 案件別の収支記録をスタート(ExcelでもOK)
- 見積と実績の差異を毎現場でチェック
- 自社でかかっている“手間代(労務費)”の平均を出す
- キャッシュフロー予測(いつ払って、いつ入金されるか)を見える化
- 税理士任せから“社長が数字を理解する”体制に変える
「いい大工仕事」だけでは生き残れない時代に
- 材料価格の高騰
- 職人不足と人件費上昇
- 価格競争と工期短縮要請
- 税金や借入返済のプレッシャー
これらを乗り越えるには、「技術」と「数字」の両方が必要です。
“職人経営”から“数字経営”へ。 今こそその一歩を。
まとめ:「現場は儲かっているはず」から卒業するために
- お客様には信頼されている
- 現場は順調に動いている
- でも利益が残らない
その答えは、数字の見える化不足にあります。
- 現場ごとの粗利を記録する
- 手間と見積のズレを分析する
- 月末のキャッシュを予測する
これだけで、会社の未来は大きく変わります。
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当事務所では、大工工事業者向けに「財務分析×業務改善」のサポートを行っています。
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芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。