「資金調達は税理士の仕事ではない?試算表だけに頼らない本当の支援とは」
資金調達は税理士の仕事ではない?
〜試算表だけでは足りない!本当に経営者を支援できる資金調達サポートとは〜
はじめに
「資金調達の相談をしたのに、税理士は試算表を作ってくれるだけだった…」
「金融機関に説明するときに、どう話せばよいかアドバイスしてくれなかった…」
こうした不満を持つ経営者は少なくありません。
確かに、税理士の本来業務は記帳代行や申告書作成といった「過去の数字の整理」が中心です。
しかし、資金調達は未来の経営を支える最重要テーマ。
単なる試算表作成にとどまらず、経営者の想いを金融機関に伝え、適切な資金調達を実現するサポートが必要です。
この記事では、なぜ「資金調達=税理士の仕事ではない」と誤解されがちなのかを整理しつつ、私がどのように資金調達の支援をしているかを詳しくご紹介します。
1. なぜ「資金調達は税理士の仕事ではない」と思われるのか?
① 一般的な税理士業務が「過去数字の処理」に偏っているから
多くの税理士は、決算書作成や申告業務を中心に据えています。
そのため、金融機関と交渉する資金調達業務には消極的な傾向があります。
② 金融機関とのコミュニケーションに慣れていない
資金調達は「金融機関の目線」を理解しないと成功しません。
しかし、多くの税理士は交渉現場に立ち会わず、試算表や決算書を提出するだけで済ませがちです。
③ 経営者が「税理士=数字の専門家」に限定して見ている
経営者側も「税理士は税務だけ」と思い込み、本来受けられる資金調達支援を依頼していないケースが多いのです。
2. 資金調達で税理士が本当にできること
実は税理士は、資金調達において大きな役割を果たせます。
私が支援しているポイントを整理すると次の通りです。
① 数字を「金融機関が理解できる形」に翻訳する
- 決算書・試算表を、金融機関が重視する「返済能力」「キャッシュフロー」に沿って整理
- 難しい会計用語を、銀行担当者が納得できるストーリーに変換
② 事業計画書・資金繰り表の作成支援
- 単なる数字ではなく、事業の将来性を伝える計画書を作成
- 返済計画を明確にして「安心して貸せる」と思わせる資料を作る
③ 金融機関との交渉サポート
- 面談前に「どんな質問が来るか」をシミュレーション
- 経営者の想いを的確に伝える言葉選びをアドバイス
- 必要に応じて金融機関との打ち合わせに同席
④ 融資後のフォローアップ
- 資金繰りの実績と計画の差異をチェック
- 必要に応じて追加融資や条件変更を提案
3. 資金調達に必要な書類と「あると有利な書類」
必須書類
- 決算書・試算表
- 納税証明書
- 借入返済予定表
- 設備投資の見積書・契約書
あると有利に働く書類
- 事業計画書(売上予測・利益計画・資金繰り表)
- 顧客との長期契約書・発注書
- 補助金・助成金の採択通知
- 経営者個人の資産一覧
これらをそろえるだけで、融資条件(利率や返済期間)が有利になる可能性が高まります。
4. 事例で学ぶ資金調達支援
事例1:設備投資融資をスムーズに引き出した製造業
ある製造業の経営者は、新しい機械導入にあたり資金が必要でした。
決算書だけでは「返済原資が見えない」と金融機関に言われたため、私が事業計画書とキャッシュフロー表を作成。
結果、低金利かつ長期返済条件で満額の融資を獲得できました。
事例2:コロナ禍で運転資金を確保した飲食業
コロナ禍で売上が急減した飲食店。
金融機関に提出したのは決算書だけで、否決されかけました。
私が補助金採択通知と来期の売上回復計画を添えて再提出したところ、緊急融資枠で即日承認されました。
5. 経営者が心得ておくべきポイント
- 資金調達は「数字+ストーリー」で勝負する
数字だけではなく、事業の未来像を語ることが重要。 - 税理士は「試算表作成以上」の支援ができる
資金調達を理解した税理士なら、金融機関との交渉を有利に進められる。 - 準備不足が一番のリスク
必要書類・プラス資料をそろえることで、審査はスムーズになる。
まとめ
- 資金調達は税理士の仕事ではない、と思われがちですが、本来は「最も頼れるパートナー」になれる分野です。
- 試算表作成にとどまらず、事業計画書の作成支援、金融機関交渉のアドバイス、融資後のフォローまでサポート可能です。
- 経営者が資金調達を成功させるには、数字とストーリーを揃えて金融機関に「安心感」を与えることが不可欠です。
最後に
私はこれまで、単なる数字の処理にとどまらず、資金調達の現場で数多くの経営者を支援してきました。
金融機関の視点を理解し、必要な書類とストーリーを一緒に整えることで、経営者の「挑戦」を可能にします。
資金調達で悩んだとき、試算表だけでなく、その先を一緒に描いてくれるパートナーがいれば、未来は大きく変わります。
ホームに戻る芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。