従業員
経営者必見!企業型確定拠出年金(企業型DC)とは?
導入のメリット・デメリットと、活用のリアルなハードルを徹底解説!
はじめに|企業年金、あなたの会社には関係ないと思っていませんか?
「ウチのような中小企業には縁がない制度だと思っていた」
「年金って、大企業がやる福利厚生でしょ?」
「導入コストが高そうだし、手続きも難しそう…」
そんなふうに考える経営者は少なくありません。
しかし今、中小企業でも「企業型確定拠出年金(企業型DC)」を導入するケースが急増しています。
なぜなら——
これは「従業員の老後支援」ではなく、「会社の節税・人材戦略」になる制度だからです。
企業型確定拠出年金(企業型DC)とは?
厚生年金とは別に、企業が任意で導入する私的年金制度。
毎月、会社が掛金を拠出し、従業員が自ら運用する仕組みです。
【ポイント】
項目 | 内容 |
---|---|
拠出方法 | 会社が月々一定額を拠出(マッチング拠出も可) |
税制優遇 | 会社側:全額損金算入 / 従業員側:所得税・住民税非課税 |
運用 | 従業員が自己責任で投資信託等を選択して運用 |
受給時期 | 原則60歳以降、老後資金として受け取る |
なぜ企業型DCが注目されているのか?
✅ 会社にも従業員にも、税制メリットが大きい
- 会社:拠出額は全額損金にできる=法人税を抑えられる
- 従業員:給与と違って“非課税”で積み立てできる
→ 社会保険料の負担が抑えられるのも大きな利点です。
✅ 福利厚生としての魅力が強化される
- 大企業と戦う上で、「福利厚生の見える化」は採用力に直結
- 「将来に備えてくれる会社」というブランディング効果も◎
✅ 掛金の負担は自由に設定できる
- 月額5,000円〜でも導入OK(※上限は55,000円/月)
- 雇用形態や勤続年数に応じて差をつける設計も可能
企業型DCの導入メリット【会社側】
① 節税対策として優秀
- 拠出額は全額損金扱い → 法人税が軽減
- 社会保険料の対象外 → 会社・従業員の保険料負担が減る
② 離職防止・人材定着につながる
- 将来設計をサポートする福利厚生は、“社員を大切にしている”メッセージ
- 長期雇用へのインセンティブになる(例:勤続年数で掛金増など)
③ 他社との差別化
- 「企業型DCを導入しています」と言えるだけで採用時の信頼感アップ
- 昨今の“福利厚生重視型”の若手人材に刺さりやすい
企業型DCの導入メリット【従業員側】
項目 | メリット |
---|---|
税制 | 拠出時・運用益・受取時(一定条件下)すべて非課税枠あり |
資産形成 | 給与天引きで半強制的に老後資金の積立ができる |
運用選択 | 自分で投資信託などを選べる自由度あり |
給与とは別 | 手取り減を感じにくい“見えない積立”が可能 |
企業型DCのデメリット・注意点
① 手続き・設計に手間がかかる
- 国への申請、就業規則改定、規約設計などが必要
- 制度導入には金融機関や専門家のサポートが不可欠
② 従業員への説明・教育が必要
- 運用責任は従業員自身にあるため、「自分で投資先を選ぶ」ことへの抵抗感が出ることも
- 初期導入時には金融機関による説明会の実施がおすすめ
③ 拘束性の高さ(原則途中引き出し不可)
- 拠出した資金は原則60歳まで引き出せない
- 退職時の扱いも明確にしておく必要あり(移換制度等)
【実際どうなの?】導入のハードルと費用感
✅ 最低人数:1人でも導入可能(社長1人法人も可)
✅ 導入までの期間:3ヶ月〜6ヶ月程度
✅ 導入コスト:金融機関によって異なる(初期費用+毎月管理費)
- 初期費用:約10〜30万円
- 月額費用:1人あたり数百円〜数千円(規模で変動)
→ 少人数の会社でも十分に導入可能な範囲
企業型DC導入の流れ【5ステップ】
- 金融機関・運営管理機関の選定
- 規約作成・就業規則整備
- 労働者代表の同意取得・国への申請
- 社内説明会・運用商品決定
- 拠出スタート(給与連携)
よくある質問(Q&A)
Q. 小規模の会社でも本当にメリットあるの?
→ 節税とブランディング効果は会社規模に関係なく得られます。
Q. iDeCoと何が違うの?
→ 企業型DCは会社が主導して拠出・管理する制度。
iDeCoは個人任せですが、企業型DCは制度整備が前提なので福利厚生性が高い。
Q. 導入後、途中でやめられる?
→ 一度導入すると継続前提ですが、制度設計を柔軟に見直すことは可能です。
まとめ|中小企業だからこそ「社員思い+節税」が両立できる制度
企業型DCは、大企業のための制度ではありません。
むしろ、限られた資源の中で優秀な人材を確保し、節税と定着を両立したい中小企業にこそぴったりの制度です。
- 経営者にも節税メリットあり
- 従業員にも「将来への安心」を提供できる
- 手続きは専門家と連携すれば問題なし
ご相談ください|企業型DC導入の初期相談・制度設計をサポート
- 導入可否のシミュレーション
- 金融機関の比較・選定支援
- 社内説明用の資料作成サポート
- 経営者・従業員双方にメリットある制度設計をご提案します
“導入しない理由”より、“導入する価値”を一度見直してみませんか?
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