投資
その土地、買うべきか?売るべきか?「用途なし×空き地状態」の今こそ問われる、経営者としての決断力。
隣の土地が売りに出された——そのとき、経営者が取るべき“3つの選択肢”
はじめに|隣地が売りに出た。そのとき、経営者としてどう動く?
あなたが今、持て余している自社所有地。
その隣の土地が売りに出された——経営者として、これは重大な分岐点です。
- 「とりあえず買っておくべきか?」
- 「いや、売却してスッキリした方が?」
- 「でも使い道は決まってないし…」
この記事では、このような悩みを抱える経営者のために、「買う」「売る」「保留する」3つの選択肢と、それぞれの判断軸をわかりやすく解説します。
選択肢①|思い切って買うべきか?
✅ メリット
- 一体利用による資産価値アップ
→ 敷地が広がれば、建築制限緩和・使い道の選択肢増加 - 将来的な活用幅が広がる
→ 店舗、事務所、賃貸、駐車場、物流拠点など多用途に対応可能 - 第三者に買われるリスクを回避
→ 隣に不動産業者・競合・異業種が入ると、将来の活用が制限される
❌ デメリット
- 融資を受けてまで買う場合、資金繰り圧迫のリスク
- 用途が決まっていない状態での“塩漬け”リスク
- 固定資産税・維持費が倍になる
選択肢②|自分の土地も含めて“売る”という戦略
✅ メリット
- 一体売却による価値アップの可能性
→ 隣地所有者と一緒に売れば、単独より高値で売れる可能性あり - キャッシュ化による資金流動性の確保
→ 設備投資・新事業・借入返済など、会社の成長資金に変えられる - 将来の“固定費爆弾”を手放せる
❌ デメリット
- 一度売ったら取り戻せない(再取得コストは高騰傾向)
- “将来価値”を自分以外の人に取られる可能性
- 売却益に対する法人税・譲渡所得課税が発生
選択肢③|用途が決まるまで“動かない”のはアリか?
✅ メリット
- 無理に融資を受けず、キャッシュを温存できる
- 周辺相場や将来計画を見てから判断できる
❌ デメリット
- “買い手”が出た瞬間にチャンスを逃すリスク
- 将来、隣地が自社に不利な用途で使われる可能性
→ 騒音施設、競合店舗、収益施設など
判断基準|買う or 売る を選ぶ前に確認すべき6つの視点
視点 | 確認内容 |
---|---|
① 活用意欲 | 5年以内に事業利用・収益化の計画があるか? |
② 資金余力 | 融資返済能力 or 自己資金に余裕があるか? |
③ 地域性 | エリアの地価動向、用途地域、再開発計画は? |
④ 自社戦略 | 土地に依存しない新規事業や移転計画の有無 |
⑤ 税務面 | 売却時の税額試算/購入後の減価償却の検討 |
⑥ 相手の属性 | 隣地の買い手が誰か?(競合・地主・業者) |
ケース別シミュレーション|経営判断をどうするか?
📌 ケース①:現金に余裕がある × 立地が良い → 買っておく
→ 後から用途を決めても収益化しやすく、出口が確保しやすい。
📌 ケース②:資金に余裕がない × 活用計画なし → 売却を検討
→ キャッシュフロー改善に繋げ、次の成長投資に回す方が合理的。
📌 ケース③:融資は可能 × 立地に将来性あり → 保留(短期リサーチ後判断)
→ 銀行評価や用途次第で買っても良いが、周辺情報を精査してからでも遅くない。
生成AIで「何もしないリスク」を可視化する
今やChatGPTなどの生成AIを使えば、
- 将来の固定資産税負担の累積額試算
- 売却・購入シナリオ別のキャッシュフロー比較
- 税額シミュレーション(譲渡所得 or 借入金利差)
なども即時試算が可能です。
→ 「買っておけばよかった」「売っておけばよかった」になる前に、
AIを活用して経営判断を可視化しましょう。
まとめ|その土地が「経営資源」になるか「負債」になるかは今の決断次第
隣地の売り出しは、偶然ではなく「あなたの経営判断を試すタイミング」かもしれません。
- 成長投資につなげられるなら買う
- 明確な使い道がなければ売る
- 即断できないなら、情報と数字で慎重に判断する
“とりあえず保有”は、最も非合理的な選択肢です。
ご相談ください|土地の売買戦略と税務・財務の視点から判断をサポートします
- キャッシュフロー比較・売却益試算
- 購入後の活用可能性診断
- 銀行評価・融資活用のアドバイス
- 税務上のメリット/デメリット整理
まずは、あなたの土地と向き合うところから始めてみませんか?
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