財務
「技術は超一流。でも経営は不安定」——左官工事業にこそ“財務分析”が必要な理由とは?
「一流の仕事をしてる。でもお金が残らない」——左官業のリアルな悩み
- 技術に自信がある
- 現場評価も高い
- 仕事の依頼も来る
それでも、帳簿を見るとお金が残っていない。
このような“左官業あるある”は、「現場に強くても数字に弱い」構造が原因です。
左官工事業の“経営が苦しい理由”はここにある
1. 単価下落と請負構造の変化
- 昔と比べて手間単価が下がっている
- 大手建設会社からの元請→下請→孫請と、利益が薄い構造に
- 材料費込みの“込み工事”が増え、見積精度が問われる
この結果、“動けば動くほど儲からない”体質になるリスクがあります。
2. 職人不足による人件費の上昇
- 技術継承者がいない
- 応援職人や外注に頼らざるを得ない
- 若手は続かず、教育コストだけが残る
こうして、現場対応力はあっても利益が残らない状態に陥ります。
3. 経営数字が感覚まかせになりがち
- 帳簿は税理士任せ
- 経費の内訳を把握していない
- 入金と支払いのズレに無頓着
結果、“知らぬ間に赤字”という事態も発生しやすくなります。
「財務分析=現場を数字で読む力」左官業の経営に必要な視点
「財務分析なんて、自分たちには関係ない」
そう思われるかもしれません。
でも財務分析とは、数字で“どの仕事が儲かっているか”を見える化すること。
左官業が財務分析で得られるメリット
- 案件ごとの**粗利率(どの仕事が稼げているか)**が分かる
- 人件費・材料費・移動費などのコスト構造が見える
- 赤字工事を避ける意思決定ができるようになる
- 銀行や元請との交渉に“数字で語れる”ようになる
事例紹介:財務分析で変わった左官業者の姿
<事例①>粗利率の見える化で“儲かる現場”だけに集中
J社では、すべての現場で「かかった手間・経費・売上」を記録。
結果、粗利20%未満の工事が全体の50%を占めていたことが判明。
値下げ交渉を避け、高粗利の元請と直取引を強化し、年間利益が2倍に。
<事例②>資金繰り表の導入で“支払遅れゼロ”に
K社では、支払日と入金日の管理がずさんで、度々資金ショート寸前に。
簡易キャッシュフロー表を導入し、1ヶ月先の資金の動きを可視化。
税理士との共有もスムーズになり、借入も計画的に行えるようになった。
左官工事業におすすめの財務分析ステップ5つ
- 現場別の損益を記録する(Excelやクラウド会計でもOK)
- 材料費・人件費・外注費などを項目別に分けて見る
- 支払予定表と入金予定表を組み合わせた資金繰り表を作成
- 粗利率ランキングで“やるべき現場”を選別
- 数字で経営を語れる資料をつくり、元請や銀行に提示
これからの左官業は「技術+数字」で選ばれる時代
技術力だけでは、もう生き残れない。
- 材料費は高騰
- 職人は減少
- 工事単価は下落傾向
でも、“数字を味方にできる職人社長”は選ばれ続けます。
まとめ:「稼ぐための手間」か「消耗するだけの手間」かを見分ける
- 仕事は丁寧
- 信頼もある
- でもお金が残らない
それは、「儲かる仕事」と「儲からない仕事」が数字で見えていないから。
財務分析で、現場と経営をつなぐ“見える化”の一歩を踏み出しましょう。
📊 左官業専門の数字見える化支援、受付中!
当事務所では、左官工事業者様向けに
- 案件別の利益管理表の導入支援
- 月次の資金繰り改善
- 銀行との関係強化のための財務資料整備
など、小さな一人親方から職人数名の会社まで対応可能な支援を行っております。
ホームに戻る芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。