「技術力だけでは生き残れない」——電気工事業にこそ必要な“数字の見える経営”とは?
現場は忙しいのに、なぜ利益が残らない?」——電気工事業の“経営の盲点”
- 現場の予定はギッシリ
- 売上は例年並み、むしろ増加傾向
- でも、手元にお金が残っていない
- 税理士から「今年は利益が少ないですね」と言われる…
このような経験をしていませんか?
その原因は、「技術」と「経営」のバランスが崩れているからかもしれません。
電気工事業には、財務分析による経営の“見える化”が不可欠です。
電気工事業が抱える財務的リスクとは?
1. 工事ごとの粗利のバラつきが大きい
高単価の弱電工事・設計案件と、価格競争の激しい元請け配下の工事では利益率に2倍以上の差が出ることも。
しかし、案件別に数字を見ていなければ、“売上だけ高くて利益が出ない仕事”に多くの時間を割いてしまいます。
2. 工期と支払いサイトのズレが大きい
「完成から2ヶ月後の入金」「外注への前倒し支払い」など、資金繰りが悪化する構造に陥りがちです。
このズレを把握せずに資金ショートするケースも少なくありません。
3. 職人単価や材料費の高騰
人手不足により技術者単価が高騰。
電材や資材の価格上昇もあり、利益が削られやすい体質になっています。
財務分析の力で「稼げる現場」と「消耗する現場」を見極める
「財務分析」とは難しそうに聞こえますが、電気工事業においては以下のことを明らかにするための手段です。
- どの工事・取引先が利益を生み出しているのか
- 現場別の粗利率・原価構造
- 人件費や外注費の妥当性
- 借入・返済計画と資金の流れ
これらを“感覚”ではなく“数字”で捉えることで、経営判断が精度とスピードを持ちます。
事例紹介:財務分析で生まれ変わった電気工事会社
<事例①>案件別粗利を見える化し、利益が3倍に!
ある電気設備会社では、全案件の原価・粗利を月次でスプレッドシートに入力。
利益率の低い元請け下請け工事を減らし、直取引と保守契約に注力。
その結果、年間純利益が3倍に。キャッシュも黒字化し、借入体質から脱却。
<事例②>資金繰り表を導入し、冬季工事激減期を乗り越え
冬期の工事受注減で例年苦しんでいたB社。
毎月の入出金予定を可視化することで、資金の流れを前倒しで把握。
借入タイミングを前倒しでき、ストレスフリーな経営に改善。
電気工事業におすすめの財務分析ステップ5選
- 工事案件ごとの原価・粗利記録を開始(スプレッドシートや専用ソフト活用)
- 月別キャッシュフロー計画表を作成(支払・入金サイトの把握)
- 材料費・労務費・外注費を分解し構造分析
- 利益率ランキングによる工事タイプの選別
- 金融機関用の経営レポートを作成し、信頼を得る
これからは「数字に強い技術屋」が生き残る
電気工事業は、職人力だけでは勝ち残れない時代です。
- 人件費高騰
- 工事単価の低下
- 入金サイトの遅れ
- 融資の厳格化
そんな時代に必要なのは、「現場の知識 × 財務の視点」を持つ社長です。
まとめ:「稼げていない現場」を数字で見抜こう
どれだけ技術があっても、経営が崩れたら会社は続きません。
そして、その最初の兆しは数字に現れます。
- “利益の出る仕事”に集中できる
- 資金ショートの予防ができる
- 金融機関と信頼関係を築ける
電気工事業にこそ、今すぐ財務分析を取り入れるべきです。
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当事務所では、電気工事業の経営者様向けに財務分析・資金繰りの見える化をサポートしています。
マネーフォワードクラウドやGoogleスプレッドシートを活用した導入支援も対応可能です。
次回は、「売上はあるのに、なぜお金が残らない?」——解体業こそ“財務分析”が未来を変えるカギになる理由について解説します。
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