融資

銀行が「貸したくなる」事業計画書とは?満額融資を実現する作成ステップを徹底解説

融資を満額引き出すための事業計画書の作成ポイント
〜 銀行が“貸したくなる”計画書の中身とは? 〜


はじめに:融資は「書類」ではなく「信頼」で決まる

銀行融資を申し込むとき、多くの経営者が悩むのが 「事業計画書の作り方」 です。
「何を書けばいいのか?」「数字はどこまで必要なのか?」と不安に感じる方も多いでしょう。

しかし実際には、事業計画書の出来が「融資額の満額・減額・否決」を分けます。
なぜなら、銀行担当者はその計画書をもとに「この会社にお金を貸していいのか?」を判断するからです。

つまり、融資の可否は“計画書の中身次第”なのです。

この記事では、銀行が評価する「融資が通る事業計画書」の作り方を、経営者が自力で作れるように、具体的なフォーマットと事例を交えて解説します。


第1章:銀行が事業計画書で見ている3つの本質

銀行の担当者は、提出された事業計画書を「形式的」に見ているわけではありません。
実は、計画書の中から “経営者の思考力と現実感” を見抜いています。


① 「再現性があるか」

銀行は、夢物語よりも「数字に裏づけがある計画」を重視します。
たとえば、

  • 新規事業で「初年度売上5,000万円」と書くなら、
     →「どうやって」「どんな顧客に」「どの単価で」売るのか?
     を説明する必要があります。

売上の根拠=再現性の高さが、融資の信頼につながります。


② 「返済ができるか」

融資は“返済してもらうこと”が前提です。
そのため銀行は、利益ではなくキャッシュフロー(資金の流れ)を見ています。

「売上は伸びるけど、現金が残らない」会社は危険と判断されるため、
資金繰り表の提出が極めて重要になります。


③ 「経営者の理解度」

銀行員は、書類の中身よりも「経営者が内容を理解しているか」を見ています。
外部のコンサルや税理士が作った立派な書類でも、経営者が説明できないと意味がありません。

“自分の言葉で説明できる”計画書こそ、満額融資のカギなのです。


第2章:事業計画書に盛り込むべき7つの項目

銀行が評価する事業計画書には、次の7つの項目が必ず含まれています。

項目内容銀行が見るポイント
① 会社概要会社・代表者情報経営者の経歴・経験
② 事業の目的なぜこの事業を始めるのか市場ニーズの有無
③ 商品・サービス何を提供するのか強み・差別化要因
④ 市場・顧客分析誰がターゲットか実現可能性・競争環境
⑤ 売上・利益計画3〜5年の数値計画利益率・成長性・現実性
⑥ 資金計画融資額・用途・返済期間返済原資の明確化
⑦ リスクと対策想定課題と回避策経営者の先見性・準備力

① 会社概要:経歴と信用を伝えるパート

経営者の職歴・実績・専門性を簡潔にまとめましょう。
銀行は「この人なら事業を継続できる」と思える根拠を探しています。

📌 例文

私は〇〇業界で15年間営業職として従事し、年間売上3億円のトップセールスとして勤務。
その経験を活かし、地域密着型の〇〇事業を立ち上げました。


② 事業の目的:なぜこの事業をやるのか?

銀行は「理念」よりも「合理性」を求めています。

❌「夢を叶えたいから」
✅「市場の需要が増えており、地域に競合が少ないため、利益が見込める」

「数字で説明できる目的」を記載することが信頼につながります。


③ 商品・サービスの説明

ここは営業資料ではなく、「収益を生む仕組み」を説明するパートです。

📌 書くべき内容

  • 主力商品の概要(単価・原価・利益率)
  • 他社との差別化ポイント(品質・スピード・独自ノウハウ)
  • 顧客に提供できる価値(コスト削減・効率化・安心など)

④ 市場・顧客分析

銀行は「市場の将来性」と「販売見込みの現実性」を重視します。

📊 調査の例

  • 業界の市場規模:○○億円(出典:経済産業省〇〇調査)
  • 競合数:半径3km以内に同業5社(内3社が高価格帯)
  • ターゲット層:40〜50代の女性・リピート率60%想定

⑤ 売上・利益計画

ここが最も重要なパートです。

銀行は、“過大でも過小でもない計画”を求めています。

年度売上高売上原価粗利益経費営業利益
1期目1,000万円500万円500万円400万円100万円
2期目1,500万円750万円750万円500万円250万円
3期目2,000万円1,000万円1,000万円600万円400万円

根拠がある数値でなければ、銀行は信頼しません。

  • 「過去実績」や「業界平均」を参考に設定する
  • 客単価 × 想定客数 で売上を算出する
  • 経費は“固定費+変動費”で分けて考える

⑥ 資金計画:融資を“納得させる”項目

「なぜその金額が必要なのか」を明確に示しましょう。

📌 資金使途の例

項目金額内容
設備資金400万円店舗改装・機器購入
運転資金500万円仕入・人件費・広告費
予備資金100万円想定外支出対応

銀行が安心するのは、「使途が明確で、余裕を持たせている計画」です。


⑦ リスクと対策

銀行は、「失敗しない計画」よりも「失敗しても立て直せる計画」を高く評価します。

📌 記載例

想定リスク:原材料の価格上昇
対策:長期契約による仕入単価の固定化、価格改定のシミュレーション実施

想定リスク:人材採用難
対策:業務マニュアル化による育成期間短縮


第3章:融資担当者の目に“刺さる”計画書の作り方

銀行は毎日、何十件もの事業計画書を見ています。
その中で印象に残るのは、「読みやすく」「論理的で」「信頼感のある」計画書です。


🔹 読みやすさのポイント

✅ 見出しと箇条書きを活用する
✅ グラフや表を使ってビジュアル化する
✅ 1ページに1テーマを意識する

たとえば、「売上推移」は棒グラフ、「利益率」は折れ線グラフにすると理解しやすくなります。


🔹 論理性のポイント

計画書の中で、「因果関係」がつながっているかを確認しましょう。

❌ 売上が上がる理由が曖昧
✅ 客数増加→リピート率上昇→単価アップ→利益増加

このように“数字のつながり”がある計画ほど、銀行の評価は高まります。


🔹 信頼感のポイント

融資は「信用取引」です。
誇張ではなく、「リスクと弱点」も正直に書くことで信頼されます。

弱点:創業間もなく実績がない
対策:既存顧客10社と仮契約済み/初期販売先を確保済み


第4章:融資を満額で引き出す「見せ方」戦略

銀行に提出する書類は、「伝わる資料」にすることが重要です。


① 表紙をつける

「事業計画書(株式会社〇〇)令和7年〇月提出」
と記載した表紙をつけるだけで印象が変わります。


② 数字は“根拠付き”で丸めない

「約1,000万円」より「987万円」の方が信頼されます。


③ 経営者のコメントを添える

最後に「経営者の想い」として1ページにまとめると効果的です。

📌 例文

私は、この事業を地域の雇用と経済に貢献できるモデルに育てたいと考えています。
銀行様のお力をお借りし、堅実な経営を実現してまいります。


第5章:融資後のフォローで信頼を深める

満額融資を引き出すだけで終わりではありません。
融資後の「報告・感謝・改善提案」が、次の融資につながります。

  • 融資実行後3ヶ月以内に「資金の使途報告」を行う
  • 進捗や課題をまとめた「月次報告書」を提出する
  • 定期的に銀行担当者を訪問し、経営方針を共有する

これにより、銀行の中であなたの会社が“信頼される企業”として位置づけられます。


最後に:事業計画書は「融資を受けるため」だけのものではない

本来、事業計画書は「自社の未来を描く羅針盤」です。
銀行に提出する目的であっても、作成する過程で自社の課題が明確になり、
数字を通じて経営の方向性が整理されます。


最後に:私が提供するサポート

私は、これまで多くの中小企業・創業者の方々に対して、

  • 銀行が納得する事業計画書の作成サポート
  • 数値計画・資金繰り表の設計支援
  • 融資交渉時のプレゼンテーション指導
  • 経営者向けの財務診断と未来設計コンサルティング

を行ってきました。

計画書は“書類”ではなく“信頼の証”。
しっかりとした事業計画を立てることが、
銀行との関係を強化し、あなたの会社の未来を変える第一歩です。

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