融資

融資デビューで満額回答をもらうには?銀行が信頼する経営者になるための実践ノウハウ

初めて融資を受ける方が申込希望額を引き出すために必要なこと
〜 銀行が見る“数字と人柄”の両面戦略 〜


はじめに:初めての融資は「準備力」で決まる

「銀行からいくら借りられるのだろう?」
「申し込んでも減額されたらどうしよう…」

初めて融資を申し込む経営者が最も感じるのは、“不安”です。

しかし、実際に融資審査で落ちる企業の多くは、
「信用がないから」ではなく、「準備不足だから」なのです。

銀行は、未来のあなたの会社を信じてお金を貸すわけです。
だからこそ、“数字の裏づけ”と“計画の具体性”が求められます。

この記事では、初めて融資を受ける方が希望額を満額で引き出すために必要な具体的な準備と考え方を、実例を交えてわかりやすく解説します。


第1章:銀行は「3つのC」で融資を判断している

銀行は、融資審査の際に次の3つの視点を重視しています。

観点内容具体例
Capital(資本)自己資金・純資産など会社の体力自己資金がどれだけ投入されているか
Capacity(返済能力)利益・キャッシュフロー・事業計画返済原資が確保できるか
Character(経営者の人柄)信頼性・誠実さ・説明力嘘がない・報連相ができる・冷静な判断力

特に「Character=人柄」は、初めて融資を受ける人にとって最も重要なポイントです。
過去の実績が少ない分、銀行は“経営者の姿勢”を見ています。


第2章:まず「自己資金」を明確にしておく

銀行が最初に確認するのは、「経営者がどれだけ自分のお金を事業に投じているか」です。

🔹 自己資金が多いほど信頼される理由

自己資金が多いということは、
「本気で事業を成功させようとしている」と判断されやすく、
銀行にとってリスクが低いと感じられます。

例えば、1,000万円の融資を希望する場合、
最低でも 自己資金200〜300万円(約20〜30%) はあると安心です。

銀行担当者は、あなたのお金の使い方から“経営姿勢”を読み取っています。


第3章:事業計画書の作り方で融資額は決まる

初めて融資を受ける方の多くが苦手とするのが「事業計画書」。
しかし、ここが最も重要な資料です。

銀行に伝えるべきなのは、“夢”ではなく“再現性のある計画”です。


🔹 銀行が事業計画書でチェックしているポイント

1️⃣ 売上の根拠
 「どこから、誰に、いくらで売るのか?」を具体的に示す。
 → 例:「既存顧客10社に加え、展示会で新規20社獲得見込み」

2️⃣ 利益構造
 「利益率はどのくらいか?」
 「赤字月をどのタイミングで黒字にするか?」を明確に。

3️⃣ 資金使途の具体性
 「何に、いくら使うのか?」
 → 曖昧な“運転資金”ではなく、「仕入資金」「広告費」「人件費」など、
  項目ごとに金額を明示する

4️⃣ 返済原資
 「利益のうち、どの部分で返済していくのか?」
 → これが明確に説明できないと、満額融資は難しい。


🔹 事業計画書のゴールは「銀行員が説明できる内容」

銀行担当者は、あなたの計画を社内稟議で説明する立場です。
つまり、「銀行員があなたの代わりに説明できる計画書」が理想です。

そのためには、難しい専門用語ではなく、
「誰が見ても理解できる平易な言葉」で書くことが大切です。


第4章:資金繰り表を“見える化”する

融資希望額を満額で通すためには、
「資金がどう動くのか」を資金繰り表で見せることが不可欠です。


🔹 銀行が資金繰り表を重視する理由

銀行は、“貸したお金がどのように回るか”を最も気にします。

たとえば、

  • 売上が月末入金
  • 仕入は月初支払
  • 給与や家賃が月中支払い

このようなズレがあれば、一時的な資金不足が起こります。

資金繰り表を提出することで、
「融資で資金を安定させる合理的理由」を説明できます。


🔹 資金繰り表のポイント

入金支出借入返済資金残高
4月1,200万円1,100万円50万円+50万円
5月1,000万円1,050万円50万円0万円
6月1,300万円1,100万円50万円+150万円

このように、融資後に資金が安定する見込みを示すことで、
銀行は安心して融資を実行します。


第5章:銀行担当者とのコミュニケーションが9割

書類よりも大切なのが、担当者との信頼関係です。

🔹 銀行担当者が「信頼できる経営者」と感じる瞬間

  • 話が整理されていてわかりやすい
  • 困ったときにすぐ報告してくれる
  • 約束や納期を守る
  • 無理なお願いをしない

担当者にとって「安心して稟議を出せる経営者」になることが最短ルートです。


🔹 逆に印象を悪くするNG行動

  • 「とりあえず1,000万円貸してほしい」と根拠なく話す
  • 赤字を隠す
  • 他行と比較ばかりする
  • 書類の提出が遅い

銀行担当者も人間です。
誠実で整理された対応こそが最大の武器になります。


第6章:融資希望額を満額で引き出すための「3つの条件」


① 根拠のある希望額を提示する

融資額は「欲しい金額」ではなく「必要な金額」で決まります。
銀行に提出する事業計画書に、
「この金額でなければ計画が成立しない」という根拠を明示することが大切です。


② 返済余力(キャッシュフロー)を証明する

銀行は、売上よりもキャッシュフローを見ています。
「借入をしても毎月の返済に困らない」という数字を出せるかどうか。

減価償却費など“非現金費用”を加味したキャッシュフロー計算書を提示できると説得力が増します。


③ 経営者の熱意と現実感の両立

「熱意だけで突っ走る」も「数字だけで冷たすぎる」もNG。
銀行は、“熱意+現実的計画”の両立を見るのです。


第7章:融資実行までの流れ

1️⃣ 融資相談(事前面談)
2️⃣ 書類提出(試算表・事業計画書・資金繰り表など)
3️⃣ 銀行審査(稟議)
4️⃣ 条件提示(利率・期間・担保の有無など)
5️⃣ 契約締結・資金実行

このプロセスを理解しておくことで、
スムーズに資金を引き出すことが可能になります。


最後に:準備こそ最大の武器

初めての融資は「怖い」「難しそう」というイメージが強いですが、
本質は「数字と姿勢で信頼を勝ち取ること」です。

そして、融資を受けた後こそが本当のスタート。
資金を活かして利益を生み、返済を着実に行うことが、
次の融資・次の成長への道を拓きます。


最後に:私が提供するサポート

私は、これまで数多くの企業の「初めての融資」をサポートしてきました。

  • 銀行が納得する事業計画書の作成支援
  • 実現可能な資金繰り表・キャッシュフロー設計
  • 面談対策・融資担当者への説明トレーニング
  • 融資後の資金管理・財務モニタリング

「初めての融資で不安…」という経営者の方こそ、
事前の準備で未来は大きく変わります。
資金の流れを“見える化”し、銀行に信頼される企業づくりを一緒に行いましょう。

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