【旅費規定で賢く節税&福利厚生アップ】社員満足度と経営改善を同時に叶える方法
はじめに|「旅費規定」は経営改善の隠れた切り札
経営者の皆さま、節税と聞くと「保険」「設備投資」「経費の前倒し」といった手法が頭に浮かぶのではないでしょうか。
しかし、それらの多くはキャッシュを伴うため、資金繰りに負担をかける場合があります。
一方、「旅費規定」は、
- 大きなキャッシュアウトを伴わず
- 税務上の節税効果を得られ
- さらに従業員の満足度や定着率を高めることができる
という、まさに攻めの節税策です。
旅費規定とは?
旅費規定とは、役員や従業員が業務で出張した際に支給する交通費・宿泊費・日当などの金額や条件を明文化した社内ルールです。
あらかじめ基準を定めておくことで、
- 税務上の安全性
- 経理処理の効率化
- 社員間の公平性
が確保されます。
主な規定項目
- 交通費(電車、飛行機、バス、自家用車利用時の距離単価など)
- 宿泊費(地域別の上限額)
- 日当(食事や雑費の一律支給額)
- 移動手当(タクシーや送迎費用など)
旅費規定導入の3つのメリット
1. 節税効果が高い
旅費規定に基づく日当は非課税扱いとなり、社会保険料の対象外です。
給与として支払う場合に比べ、同じ金額でも
- 社員は手取りが増える
- 会社は社会保険料負担が減る
という双方にとってプラスの効果があります。
2. 福利厚生の充実による定着率向上
出張時の自己負担が減ることで、社員は「会社が自分を大切にしてくれている」と実感できます。
これがモチベーションアップと離職率低下につながります。
3. 経営の透明性・公平性の向上
支給基準が明確になり、社員間の不公平感や経費精算の混乱を防ぎます。
「誰が見ても公正な制度」として運用できる点は、経営の信頼性にも直結します。
導入のステップ
- 現状の出張費用を洗い出す
- 業種や地域に合った支給額を設定
- 社内規定として文書化・周知
- 経理フローと連動して運用
- 年1回程度の見直し(物価変動・業務形態の変化に対応)
よくある失敗と注意点
- 金額設定が相場より高すぎる → 税務調査で否認される可能性
- 規定は作ったが運用されていない → 実質的に無効
- 業務外の旅行や私的支出に適用 → 給与課税のリスク
導入による変化(事例)
建設業A社(従業員15名)では、旅費規定を導入したことで、
- 社員の日当を非課税で支給 → 年間約50万円の社会保険料削減
- 出張負担減で社員満足度向上
- 面接時に「福利厚生の手厚さ」が応募理由になる事例が増加
まとめ|旅費規定は「攻めの福利厚生型節税」
- 社員のモチベーションを高めながら節税できる
- 社内の公平性・透明性を高められる
- 導入コストも低く、即実行可能
経営者として「数字」と「人」の両面を強化するために、
旅費規定の導入は今すぐ検討すべき施策です。
最後に
旅費規定は単なる節税策ではなく、未来の経営基盤を整える仕組みです。
うまく設計すれば、節税と福利厚生が両立し、社員が会社に愛着を持ち、長く働き続けてくれる土壌ができます。
私はこれまで、制度設計から社内周知、運用定着まで一貫して伴走し、経営者が「数字を守り、人を育てる」ための仕組みづくりを支援してきました。
このような制度が定着すると、資金繰りにも余裕が生まれ、新たな事業投資や組織強化にもつながります。
旅費規定を「会社の未来を変える制度」にしていくことは、今からでも遅くありません。
ホームに戻る芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。