あなたは住宅ローンは1人で組む?それとも夫婦で組む?その答えは!?
〜税金の差と節税効果を経営者向けに徹底解説〜
はじめに
住宅を購入するとき、多くの方が利用するのが「住宅ローン」です。
特に経営者の方は、個人の資産形成や節税の観点から「住宅ローン控除」をどのように活かすかが大きなポイントとなります。
しかし、よくある疑問がこちらです。
- 住宅ローンは1人で組んだ方がいいのか?
- 夫婦で組んだ方が節税になるのか?
- 実際にどのくらい税金に差が出るのか?
この記事では、住宅ローンの基本から控除制度の仕組み、そして1人ローンと夫婦ローンの違いを具体的に解説します。
住宅ローンとは何か?
住宅ローンとは、金融機関から住宅購入資金を借り入れ、長期間かけて返済していく仕組みです。
特徴
- 借入期間は最長35年程度
- 返済方法は「元利均等返済」「元金均等返済」など
- 金利は固定金利型と変動金利型に分かれる
経営者の場合、法人借入や事業資金とは異なり、個人の与信(信用力)が大きく影響します。
住宅ローン控除の仕組み
住宅ローンを利用すると、一定の要件を満たせば「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」を受けられます。
控除内容
- 控除額:住宅ローン残高の0.7%(2025年現在の制度)
- 控除期間:原則13年間(新築・条件により異なる)
- 上限額:年間最大21万円(新築の場合)
つまり、ローン残高が多いほど控除額も大きくなります。
1人で組む場合のメリット・デメリット
メリット
- 手続きがシンプル
- 借入金額や返済計画を1人で管理できる
- 所得が十分にあれば控除を最大限受けられる
デメリット
- 所得税・住民税が少ないと控除を使い切れない
- 高額な住宅購入では借入限度額に制約が出る
👉 経営者のように役員報酬を抑えている場合、控除枠を使い切れないケースが多いです。
夫婦で組む場合のメリット・デメリット
夫婦でローンを組む方法には大きく2つあります。
- 連帯債務方式:夫婦がそれぞれ借入金額を持ち、両方が住宅ローン控除を受けられる
- ペアローン方式:夫婦それぞれが別々に住宅ローンを契約する
メリット
- 控除を夫婦でシェアできる → 節税効果大
- 借入可能額が増える
- 所得が少ない方でもローン控除を有効に活用できる
デメリット
- 手続きが煩雑になる
- 離婚・相続時に処理が複雑
- 片方が返済不能になった場合のリスク
具体的な節税シミュレーション
ケース1:夫(年収800万円)、妻(専業主婦)
- 夫単独で借入:ローン残高5,000万円
- 控除額:年間最大21万円(夫のみ)
👉 妻に所得がないため夫単独の方がシンプル。
ケース2:夫(年収600万円)、妻(年収400万円)
- 夫婦合計で5,000万円の借入を折半
- 夫:2,500万円 → 控除額最大17.5万円
- 妻:2,500万円 → 控除額最大17.5万円
- 合計:35万円
👉 夫単独の21万円よりも、夫婦合算で14万円も多く控除できる。
経営者が住宅ローンを考える時の注意点
- 役員報酬の設定と住宅ローン控除の相性
- 報酬を低くしていると控除を使い切れない
- 夫婦で分散してローンを組むと効果的
- 法人契約はできない
- 住宅ローンはあくまで個人契約
- 会社の経費にはできない
- 将来の返済計画と資金繰りのバランス
- 節税効果に目を奪われず、キャッシュフローを重視することが重要
まとめ
- 住宅ローン控除はローン残高の0.7%が所得税・住民税から控除される制度
- 1人で組むとシンプルだが、控除を使い切れないリスクがある
- 夫婦で組むと控除をシェアでき、節税効果が大きくなる
- 経営者は役員報酬の金額とローン控除の関係を考慮することが重要
最後に
住宅ローン控除は、経営者にとっても大きな節税手段となります。
しかし、1人で組むのか夫婦で組むのかによって、控除額は大きく変わります。
私は、役員報酬や会社の資金繰りも含めた総合的な視点で、住宅ローンの最適な組み方をご提案しています。
「1人で組んだ方がいいのか?」「夫婦で組んだ方が節税になるのか?」
悩んだときには、税務とキャッシュフローの両面からシミュレーションを行い、最も有利な選択をしていただきたいと思います。
芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。