会社設立と決算月設定の知恵!
〜消費税免税効果と経営判断のバランス〜
はじめに
会社設立をする際、多くの経営者が意識するのは「設立日」や「資本金」ですが、意外に見落とされがちなのが 決算月の設定 です。
実は、決算月の選び方ひとつで 消費税の免税期間を最大限に延ばすことができる のです。
ただし、節税だけを優先すると、かえって事業の成長や経営環境に悪影響を及ぼすこともあります。
この記事では、消費税免税の仕組みと決算月設定のポイントを整理しつつ、税金だけにとらわれないバランスの取れた経営判断の重要性を解説します。
消費税の免税事業者制度とは?
消費税は、課税売上高が年間1,000万円を超えると課税事業者となり、納税義務が生じます。
しかし、新設法人は原則として 設立から最初の2期は免税事業者 となり、消費税を納める必要がありません。
この「最初の2期」というルールが、決算月の設定によって実質的に 最大24か月間 免税を享受できるカギとなります。
第1期目を12か月取ると免税期間は最大24か月
新設法人の免税期間は「最初の2事業年度」ですが、1期目の長さによって免税期間の実質的な長さが変わります。
ケース1:1期目を短縮した場合
- 設立:4月
- 決算月:12月(1期目は9か月)
- → 免税期間は 9か月+12か月=21か月
ケース2:1期目を12か月フルで取った場合
- 設立:4月
- 決算月:翌年3月(1期目は12か月)
- → 免税期間は 12か月+12か月=24か月
👉 設立月から最も遠い月を決算月にすると、第1期目を12か月フルに取れるため、消費税の免税期間を最大限に活かすことができます。
必ずしも「免税延長」が正解ではない理由
税務的には「免税期間を最大化すべき」という考えが自然ですが、実務上はそれだけでは判断できません。
1. 運勢や経営者の信念
経営者によっては「運勢的にこの月が良い」「縁起の良い日に決算を迎えたい」という強いこだわりがあります。
この場合、数か月の消費税免除よりも、経営者の心の安心感や信念を優先する方が合理的です。
2. 業種や資金繰りとの関係
- 小売業や飲食業など現金商売が多い業種 → 消費税免除のメリットが大きい
- BtoBで仕入税額控除を多く使える業種 → 免税より課税事業者の方が有利になることも
3. 実務上の便宜
- 親会社や取引先と決算月を揃えた方が決算書比較がしやすい
- 融資申請や補助金申請に決算月が影響する場合がある
👉 免税だけを優先するのは危険であり、事業モデルや外部環境も考慮すべきです。
経営者に伝えたい「決算月の決め方」
- 免税を重視するなら
設立月から最も遠い月を決算月にして、1期目を12か月フルに取る。 - 運勢や信念を重視するなら
節税効果は多少犠牲にしても、心の安定や経営者の納得感を優先。 - 経営環境を重視するなら
取引先・金融機関・グループ会社との関係に合わせた決算月を設定。
まとめ
- 新設法人は原則、最初の2期が消費税免税。
- 1期目を12か月フルに取ると、免税期間を最大24か月確保できる。
- 節税だけでなく、運勢・業種特性・取引環境なども考慮して決算月を決定すべき。
最後に
会社設立時の決算月設定は、税金だけでなく、経営者の考え方や事業環境を反映する大切な選択です。
「免税を最大化すべきか」「信念を優先すべきか」「環境に合わせるべきか」——答えは一つではありません。
私は、経営者の価値観と経営環境を踏まえた上で、最適な設立・決算月の選択をサポートしています。
数字の有利さと経営全体のバランスを取りながら、長期的に会社が成長できる仕組みを一緒に考えていきましょう。
芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。