建設業
「点検も工事もやってるのにお金が残らない?」——消防施設工事業が利益体質に変わる“財務分析”のすすめ
「動いてはいる。でも資金が増えない」——消防施設工事業のリアル
- スプリンクラー、火災報知器、排煙設備など多様な工事あり
- 定期点検や改修依頼も安定して発生
- しかし、月末に残る現金が少ない
このような悩みを持つ経営者は多く存在します。
その原因は、“数字が見えていない”ことにあります。
消防施設工事業が利益を出しづらい3つの理由
1. 工事の手戻り・追加対応が利益を削る
- 元請・施主・消防署からの仕様変更や再提出対応が頻繁
- 小規模改修でも検査対応で1日費やすことも
- 結果的に人件費だけが増え、粗利が圧縮
2. 材料費の高騰と在庫ロス
- 感知器、配線、フレキ管、ポンプ等の仕入れ単価が高騰
- 小口での仕入れが増え、割高になりやすい
- 型式変更・余剰在庫がキャッシュフローを圧迫
3. 検査・届出対応が“利益を生まない時間”になる
- 消防検査の日程調整、立会い、書類作成など
- 現場以外の間接業務にかかるコストが見えにくい
- 案件単位での利益が「なんとなく」になりがち
財務分析で「利益が出る仕事/出ない仕事」を数字で見抜く
財務分析とは、単なる帳簿管理ではなく、経営判断の根拠となる数字を生み出す分析活動です。
消防施設業における財務分析のポイント
- 案件別の粗利率と利益金額を見える化
- 材料費・外注費・検査関連コストの比率を把握
- 人件費のかかりすぎている業務(点検・報告書作成)を洗い出す
- 結果として、「儲かる仕事」に集中できる判断軸ができる
事例紹介:財務分析で経営改善に成功した消防設備業者の実例
<事例①>工事種別別に利益率を比較し、戦略を転換
S社では、スプリンクラー/報知器/消火器設置などの案件をすべて記録・分類。
結果、報知器単体更新は粗利が高く、改修案件は利益率が低いことが判明。
民間ビルの小規模更新に注力し、月商は横ばいで利益が1.5倍に。
<事例②>資金繰り表の導入で支払・入金のズレを把握
K社では、案件完了後の入金が1~2ヶ月遅れ、仕入が先行する状態が常態化。
月別の資金繰り表を導入し、資金ショートを未然に防止。
入金タイミングに応じて仕入を調整し、銀行借入の必要が激減。
消防施設工事業向け 財務分析5ステップ
- 案件別に売上・材料費・外注費・職人日当を集計
- 検査・報告対応の間接工数をコストに加える
- 工事種別(新設・改修・点検)ごとに利益率を比較
- 月別資金繰り表で支払・入金のズレを見える化
- “利益が出る工事だけ”に営業資源を集中させる
「消防法対応の工事」で安心される会社から、「数字で信頼される会社」へ
- 設備設置の技術だけでは、経営は安定しない
- 安全と利益、両方を守る経営が必要
- そのためには、「現場を支える数字の舵取り」が欠かせません
まとめ:点検・設置で動いても、お金が残らない時代の突破口
- 利益が出る案件と出ない案件の境目が見えていない
- 検査対応の間接コストが利益を圧迫している
- 売上が伸びてもキャッシュが増えない…
これらの経営課題を打破するのが、“財務分析”による見える経営です。
数字が見えると、次に何をすべきかが明確になります。
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当事務所では、消防施設業者さま向けに下記サービスをご提供しています:
✅ 案件別粗利管理テンプレート(Excel対応)
✅ 検査対応・再訪コストの見える化支援
✅ 月別キャッシュフロー表導入支援
✅ クラウド会計との連携(freee・MFクラウドなど)
芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。