コラム

「人手不足に効く処方箋」——省力化投資補助金で、オーダーメイドの業務効率化を!

こんにちは!税理士の長岡です。今回は、中小企業省力化投資補助金についてご説明いたします。
「人が足りない。でも人件費は上げなきゃ…」
この矛盾に悩む中小企業にこそ知ってほしい。
今、国が“省力化投資”を強力に後押ししているのです。

補助上限は最大1億円、補助率は最大2/3
設備やシステムを“オーダーメイド”で導入できる補助金制度が、本格始動しました。
その名も「中小企業省力化投資補助金(一般型)」。

人手不足・業務の属人化・賃上げへの対応など、今まさに直面している課題を、
お金の後押し仕組みの見直しで乗り越えられる制度です。

この記事では、制度の概要から申請ステップ、活用事例までをわかりやすく解説します。

補助金で“攻めの自動化”を。今、中小企業に求められているのは「省力化」

2024年から本格化する最低賃金の上昇、慢性的な人手不足。
中小企業にとって「人に依存しすぎない経営」への転換は急務です。

この補助金の目的は明確です。

省力化=コスト削減だけでなく、売上増・付加価値向上にもつながる未来投資

つまり、単なる節約策ではなく、
“少人数でも回る強い会社”をつくるための補助金なのです。

制度のポイントをざっくり解説!

■補助対象:

  • 人手不足の中小企業
  • 省力化効果のあるオーダーメイド設備やシステムの導入
  • 労働生産性の年平均+4.0%以上の向上を見込む事業計画

■補助対象経費:

  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • クラウドサービス利用費 など

■補助率:

  • 小規模事業者・再生企業:最大2/3
  • 中小企業:1/2 ※1,500万円超部分は一律1/3

■補助上限額(従業員数別):

従業員数通常枠大幅賃上げ枠
5人以下750万円1,000万円
6〜20人1,500万円2,000万円
21〜50人3,000万円4,000万円
51〜100人5,000万円6,500万円
101人以上8,000万円1億円

実際に使える!オーダーメイド投資の“リアル”な活用事例

■Case1:通信販売業(従業員20名)

「出荷が追いつかない」→自動梱包+倉庫管理システムで一気に改善!

  • 顧客数の急増に対応できず、人力での梱包に限界。
  • 自動梱包機+倉庫管理システムをオーダーメイド開発。
  • パート人員を抑えつつも、出荷処理件数が1.5倍に増加。

■Case2:自動車部品メーカー(従業員40名)

「目視検査が限界」→AI搭載の外観検査装置で精度とスピードUP!

  • 微細な部品の目視検査に時間と人手がかかっていた。
  • 工場の現場に合わせて、カメラ×AIによる自動検査を導入。
  • 結果、人為ミスが減少し、生産スピードも向上。

申請から補助金交付までの流れをチェック

補助金申請=難しい、というイメージがあるかもしれません。
ですが、ポイントを押さえればシンプルです。

▼全体フロー(概要):

  1. 事前準備(計画立案・見積取得)
  2. 申請受付開始〜公募応募
  3. 審査・交付決定
  4. 補助事業の実施(設備導入等)
  5. 確定検査・効果報告(5年間)
  6. 補助金交付請求 → 入金

▼サポートを受けたい方へ:

「経営計画が苦手」「申請書類が難しい」
そんな方は認定支援機関(税理士・中小企業診断士等)の活用をおすすめします。
書類作成からスケジュール管理までサポートしてくれます。

「最低賃金も上がる…」補助金は“賃上げ”とも連動しています

この補助金は、単に設備導入だけでは終わりません。
一定の賃上げや労働環境整備も要件に含まれています。

▼主な要件:

  • 労働生産性の年平均+4.0%向上
  • 給与総額の年平均成長率が最低賃金上昇率を上回る、または+2.0%
  • 事業所内最低賃金が都道府県の最低賃金+30円
  • 従業員21名以上なら「一般事業主行動計画」を公表

つまり、この補助金を使うことで、
「人件費を上げたいけど、余力がない」→「補助金で省力化+給与改善」が可能に!

よくある質問Q&A

Q. 登録されたカタログからしか選べないの?
いいえ!本制度はオーダーメイド投資も対象です。

Q. 補助金だけでまかなえるの?
補助率の上限はあります。残りは自己負担ですが、それでも大きなコスト削減になります。

Q. 補助金が不採択だったら?
採択率は毎回変動します。事前に申請内容のブラッシュアップが重要です。

「人手不足=我慢の経営」から「設備活用=成長の経営」へ

今回の制度の特徴は、「オーダーメイド」がキーワードです。
つまり、あなたの会社にピッタリ合った形で活用できるということ。

  • 人に依存しすぎない仕組みづくり
  • 離職リスクを減らす働き方の見直し
  • 採用難に頼らない生産性アップ

これらすべてが、今回の補助金の先にある未来です。

【まとめ】

  • 中小企業の“人手不足”と“賃上げ”を両立する制度
  • 最大1億円の補助!補助率も最大2/3
  • オーダーメイド設備導入で、業務改善と人件費圧縮を両立
  • 労働生産性+4%以上を目指す事業計画が必要
  • 認定支援機関の活用で申請の不安も軽減

この内容のPDFは、こちらをご覧ください。

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