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【個人事業主必見!】国民年金基金で老後の安心と節税を同時に実現する方法

はじめに

個人事業主の多くが抱える悩みのひとつが「老後の生活資金」です。会社員であれば厚生年金に加入できますが、個人事業主やフリーランスは 国民年金(基礎年金) のみ。
そのため、将来の年金受給額は決して多くはありません。2025年度の国民年金(満額)は 月約6万8,000円 程度。現役時代の生活水準を維持するには、圧倒的に不足しています。

そこで注目すべき制度が 国民年金基金 です。今回は、国民年金基金を活用することでどのように将来の年金額を増やし、さらに節税効果も得られるのかを具体的に解説します。


国民年金の現実 ― 基礎年金だけで足りるのか?

まず、国民年金(基礎年金)だけで老後生活を賄うのは難しいという現実を押さえましょう。

  • 基礎年金(満額):月68,000円前後
  • 老後の生活費目安(総務省データ参考):月20万円前後

単純に考えて、月12〜13万円以上の不足が生じます。
この不足を埋める手段が「国民年金基金」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」です。


国民年金基金とは?

国民年金基金は、個人事業主やフリーランスが国民年金に「上乗せ」できる公的な年金制度です。

特徴

  • 掛け金に応じて、将来の年金額が 終身で上乗せされる
  • 掛け金は 全額所得控除 となり、節税効果が大きい
  • 加入は 20歳から60歳未満 の国民年金第1号被保険者

つまり、老後資金の確保と同時に現役時代の税負担軽減ができる“一石二鳥”の制度なのです。


具体例:国民年金基金でどのくらい増える?

ここではシミュレーションを使ってイメージを膨らませてみましょう。

例1:40歳から月1万円を拠出した場合

  • 拠出期間:20年間(60歳まで)
  • 掛け金合計:約240万円
  • 将来の年金増額:月約13,000円(終身)

65歳から受給を開始すると、80歳までの15年間で約234万円。もし90歳まで生きれば 468万円以上。長生きするほど得になります。

例2:50歳から月2万円を拠出した場合

  • 拠出期間:10年間
  • 掛け金合計:約240万円
  • 将来の年金増額:月約24,000円(終身)

65歳から受給を開始し、85歳までの20年間で 576万円。掛け金以上の年金を受け取れる可能性が高くなります。


掛け金が節税につながる仕組み

国民年金基金の掛け金は、全額が所得控除の対象です。
つまり、支払った分だけ課税所得が減り、所得税・住民税の負担も軽くなります。

節税効果の例

課税所得が500万円の個人事業主が「月2万円(年24万円)」を拠出した場合

  • 所得税率20%+住民税率10%=合計30%課税
  • 年24万円 × 30% = 7.2万円の節税効果

実質負担額は 年16.8万円(月14,000円程度) になります。
つまり「税金で消えるお金を、自分の老後資金に回せる」ということです。


国民年金基金とiDeCoの違い

多くの経営者が気になるのが「国民年金基金とiDeCo、どちらを選ぶべきか?」という点です。

  • 国民年金基金:終身年金型(死ぬまでもらえる安心感)
  • iDeCo:積立型の投資信託(運用次第で増える可能性)

両方併用も可能ですが、掛け金の上限に注意が必要です。


メリットとデメリット

メリット

  • 将来の年金を増やせる(終身給付)
  • 掛け金が全額所得控除で節税効果大
  • 公的制度なので安心度が高い

デメリット

  • 中途解約はできない
  • 掛け金は固定(途中で柔軟に変更はしづらい)
  • 長生きしないと掛け金以上のメリットを享受できない

経営者が従業員に伝えるべきこと

実は、この国民年金基金の話は「自分自身」だけでなく、従業員への福利厚生的なアナウンスとしても有効です。
「老後資金の備え」を会社として推奨することで、従業員の安心感や会社への信頼感が高まり、結果として 離職率の低下や定着率の向上 にもつながります。


まとめ

国民年金基金は、個人事業主にとって 老後の安心と節税を両立できる強力な制度 です。

  • 月々わずかな掛け金で将来の年金が上乗せされる
  • 掛け金は全額所得控除で節税効果あり
  • 長生きすればするほど「得」になる仕組み

「税金で消えるお金を、将来の自分のために変える」
これが、賢い経営者・個人事業主が選ぶ選択肢です。


最後に

私は財務コンサルタント兼税理士兼ファイナンシャルプランナーとして、国民年金基金やiDeCoなどを含めた 節税と資産形成のバランス をサポートしています。
「いくら掛ければどのくらい年金が増えるのか」「どのくらい節税できるのか」など、シミュレーションを通じて経営判断のお手伝いをしています。

未来の安定と今のキャッシュフロー改善を両立させる仕組みづくり
これこそが、持続可能な経営につながるのです。

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