【経費にも組織力にも効く!】社員旅行やレジャー費用を“正しく”経費にする方法
~就業規則で整備し、チームの絆を深め、利益につなげる経営戦略~
はじめに|「レジャー費用=経費にならない」と思っていませんか?
「社員旅行なんて税務署に目をつけられそう…」
「遊びに会社のお金を使うのは気が引ける…」
そんなふうに感じている経営者の方は少なくありません。
しかし、適切なルールと運用さえ整っていれば、社員旅行やレクリエーションなどのレジャー費用は“福利厚生費”として経費計上が可能です。
しかも、単なる節税だけでなく、社員のモチベーションや組織の一体感を高める「経営投資」にもなり得ます。
この記事では、経費として落とせるレジャー費用の条件や活用方法を、具体的にわかりやすく解説します。
そもそも「福利厚生費」とは?
福利厚生費とは、従業員の生活や健康をサポートする目的で会社が負担する費用のこと。
これには、以下のような費用が含まれます:
- 社員旅行・レクリエーション費用
- 懇親会・親睦会費用
- 慶弔見舞金や健康診断費用
- 社宅・住宅手当の一部
これらは正しく運用されていれば、原則として全額が損金算入(法人の経費)可能です。
社員旅行やレジャー費を経費にする条件
国税庁は「福利厚生費」として認められる社員旅行の要件を以下のように定めています:
✅ 社員旅行が経費になる要件(法人税基本通達9-7-1)
要件 | 内容 |
---|---|
旅行期間 | 4泊5日以内であること(海外含む) |
対象者 | 原則としてすべての従業員を対象にしていること(希望制も可) |
費用負担 | 従業員の個人負担が少額であること(原則として会社が7割以上負担) |
実態 | 親睦や慰労を目的としていること(視察・研修と明記しない) |
また、役員だけが参加する旅行や、業務とは無関係の高額な旅行は「役員賞与」「交際費」として否認されるリスクがあるため、注意が必要です。
導入には「就業規則・福利厚生規程の整備」が必要
制度化されていないレジャー費用は、税務調査で否認されるリスクがあります。
そのため、次のような整備が重要です:
- 福利厚生制度の規程(または就業規則の一部として明記)
- 旅行やレクリエーションの目的・内容・参加条件の明示
- 実施後の記録(写真・領収書・参加者名簿など)の保管
経費化のメリットは“節税”だけじゃない
✅ 1. 法人税の課税所得が圧縮できる
たとえば、年100万円の社員旅行費を福利厚生費にすれば、税率30%の企業では30万円の法人税が削減されます。
✅ 2. 組織の「心理的安全性」が高まる
普段は業務で接点の少ないメンバー同士の交流が生まれ、心理的な壁が取り除かれます。
✅ 3. 離職率の低下・定着率の向上
「この会社は自分のことを大事にしてくれている」と実感できる福利厚生は、給与以上の満足感を生みます。
✅ 4. 生産性向上・コミュニケーションの活性化
社員旅行後に「意見が言いやすくなった」「ミーティングがスムーズになった」といった効果が多くの企業で報告されています。
実例|導入企業のビフォーアフター
A社(IT系ベンチャー/従業員15名)
導入前:
・メンバー同士の交流が少ない
・離職率20%超、定着しない
・忘年会などは形式的
導入後(年1回の社員旅行+レク制度):
・業務外の会話が増え、チームワーク向上
・離職率10%以下に改善
・福利厚生の充実が求人の訴求力にも
レジャー費用を有効活用するポイント
ポイント | 解説 |
---|---|
1. 制度化する | 就業規則や福利厚生規程に明記する |
2. 全社員に平等な機会を | 特定メンバーだけの実施はNG |
3. 領収書・参加記録を残す | 税務調査対策として有効 |
4. 家族参加型は慎重に | 一部交際費扱いになる可能性あり |
まとめ|「経費で遊ぶ」は悪ではない。戦略である
社員旅行や懇親会は単なる“遊び”ではありません。
チーム力を高め、退職防止に貢献し、なおかつ節税にもなる。
つまり、経費で落とすべき“戦略的なコスト”なのです。
ご相談ください|制度設計・規程作成もサポートします
当事務所では、次のような支援を行っています:
- 福利厚生制度の制度設計・導入アドバイス
- 社員旅行・レクリエーション費の経理処理支援
- 税務調査対策としての記録管理の指導
- 福利厚生規程・就業規則の作成
「これって経費になる?」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。
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