お金が尽きたら治療も続けられない。動物病院が“潰れないため”に始めるAI×資金繰り管理術
資金ショートの落とし穴と、生成AIで始めるキャッシュフロー経営
はじめに|「うちは繁盛してるから大丈夫」と思っていませんか?
- 来院数は安定している
- 手術もコンスタントに入っている
- 新しい検査機器も導入した
それでも、「なぜかお金が残らない」「月末が不安」と感じたことはありませんか?
実は今、黒字なのに資金が尽きて廃業する動物病院が増えています。
その最大の原因は——「資金繰りの甘さ」です。
この記事では、動物病院が資金繰りを見落とすことで起きるリスクと、生成AIを使ってキャッシュフロー経営を実現する方法を解説します。
なぜ今、動物病院に「資金繰り経営」が必要なのか?
1. 保険診療がない分、「支払いトラブル」が起きやすい
- 高額手術・検査の直後に「払えない」と言われる
- 分割・未収が増え、キャッシュが目減りする
- 「請求できるけど、入ってこない」が常態化
→ 利益は計上されても、現金は残らない。
2. 設備投資が高額化している
エコー、血液検査機器、ICU、レントゲン、歯科設備…。
動物医療の高度化とともに、設備投資は年々高額&頻繁に。
→ 設備導入のたびにキャッシュが一気に流出します。
3. 採用コスト・人件費が上昇中
獣医師・動物看護師の確保は年々困難に。
待遇改善や求人広告費、スタッフ定着のための教育投資も重くのしかかります。
キャッシュフロー経営とは?——「帳簿の黒字」ではなく「現金の動き」を見る
資金繰りを把握せずに経営をしていると、「売上があるのに潰れる」という“黒字倒産”に陥る危険があります。
キャッシュフロー経営とは、
- いつどれくらいのお金が入ってきて
- いつどれくらい出ていくのか
このお金のタイミングと流れを見える化する経営のこと。
そして、その作業は今や、生成AIに任せられる時代です。
生成AIでここまでできる!動物病院の資金繰り管理5つの方法
1. 月次キャッシュフローの予測と診断
過去の売上・支出データをスプレッドシートにまとめ、ChatGPTなどにこう指示:
「この動物病院のキャッシュフロー予測を3ヶ月先まで作成してください。」
出力される内容:
- 月末の現金残高推移
- 支払いが集中する月のリスク
- 借入や支出見直しのアドバイス
→ 数字が苦手な院長でも、“お金の見える化”がすぐ実現。
2. 「危険な月」をAIが自動で警告
ChatGPTでルールを組めば、
「月末残高が100万円を下回ったら、アラートを出す」
というような資金ショートの“早期警告”をAIが自動で出してくれます。
3. 投資判断のサポート
- 「血液検査機器を導入してもキャッシュは耐えられるか?」
- 「新店舗開業に必要な資金はいくら?」
→ ChatGPTに質問すれば、財務的なリスクと影響を具体的に出力。
感覚的な投資判断から、根拠ある意思決定へ。
4. スタッフ教育にも使える「見える化レポート」
AIが作るキャッシュレポートは、以下のようにスタッフと共有できます:
- 「今月は手術が多く売上は高いけど、仕入れと人件費も増えてます」
- 「春の繁忙期後は落ち着くので、支出を抑えましょう」
→ 経営者だけでなく、スタッフも巻き込んだお金の共有文化が生まれます。
5. LINE×AIで“資金相談Bot”を構築
LINEから、
- 「今月の資金は足りる?」
- 「賞与とリース料が重なるけど大丈夫?」
といった質問に、AIが自動で答えてくれる資金繰りBotも構築可能。
→ 経営相談が**24時間できるもう1人の“財務担当”**に!
導入ステップ|動物病院の資金繰りに生成AIを取り入れる方法
Step1:資金の出入りを一覧化
- 売上(診療/手術/入院/物販)
- 支出(人件費/仕入/家賃/設備リース/広告)
- 税金や保険料
を月別にまとめてGoogleスプレッドシートに整理
Step2:ChatGPTにプロンプトを入力
「この動物病院の3ヶ月後までのキャッシュフロー予測を作ってください。リスクがあれば教えて。」
→ 数分でレポート化!
Step3:週次で見直し、数字に強い経営体質に
- 毎週1回、資金残高と支出予定をチェック
- AIで改善策を提示
- スタッフにも概要を共有
→ “安心して経営判断できる医院”が完成します。
仮想事例|B動物病院の資金ショートをAIが救った
- 年商:8,000万円(手術・入院・自費中心)
- CT導入+スタッフ増員で固定費が急増
- 税金・社会保険・広告費が重なり、残高が月末でマイナス予測に
→ ChatGPTで3ヶ月キャッシュフローを可視化
→ 経費見直し+金融機関への早期相談で、倒産回避!
おわりに|お金が見えれば、経営の不安は消える
動物病院の経営は、感情・使命・技術に溢れた仕事です。
でも、資金が尽きれば、理想も想いもすべて止まります。
だからこそ、現実(キャッシュ)と向き合う勇気が必要です。
そしてその勇気を支えるのが、数字を可視化してくれる生成AIの力。
「なんとなく大丈夫」ではなく、
「ちゃんと数字で大丈夫」と言える医院経営を、今日から始めましょう。
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芦屋市で税理士をしています、ながさん(長岡昭宏)です。1987年生まれ。兵庫県西宮市で生まれ育ち、現在、芦屋市に在住。未来会計や資金繰りやバックオフィスのDX化などのお困りごとを中心に、経営者の伴走支援をしています。懇切丁寧に明るく元気にサポートいたします。